広東料理の真髄は、新鮮な魚介類の味を引き立てるあっさりとした味付け。
この王道を守り抜く藤井の傑作は、蟹本来の甘味が味わえる上品な一品だ。
中華 = 油っぽいという固定概念を見事に覆してくれること請け合い。
素材本来の味を忠実に引き出すという食の原点を見せ付けられるような一品。
シンプルな中にも繊細な料理哲学が息づいている
味の決め手は上湯スープ。
上質な雛鳥を丸ごと3羽、肩ロース肉、豚ガラ、
鶏ガラから取り出した透き通るスープは主張しすぎることなく、蟹の旨みを引き立てる名脇役。
蟹の美味しさを再確認してもらおうと計算された極上の一品なのだ。
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