2013年11月16日放送 鎌田實さん(第1863回)
- 会場
- 清水町地域交流センター
- 講師
- 医師・作家 鎌田實
講師紹介
1948年東京生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。
諏訪中央病院名誉院長。地域医療に携わる傍ら、
イラクや東日本の被災地支援にも取り組む。
「がんばらない」、「大・大往生」など著書多数。
番組で紹介した本
*番組で紹介した本
「がまんしなくていい」
著:鎌田實(集英社)
第1863回「いのちを守る見えない3つのシステム」
自律神経の中には交感神経と副交感神経の2つの種類があり、
ストレスの多い状態だと、交感神経が刺激され、
血管が収縮し、血圧が上がります。
それによって脳こうそくや心筋梗塞、
血管性の認知症などの病気を起こすリスクが高くなります。
それに加え、リンパ球が減ることで風邪をひきやすくなるなど、
免疫力が弱ってしまいます。
逆に、反対の副交感神経を刺激すると、
血管が広がり、血圧も下がってきます。
この神経を1日に何回か刺激することが、
生き方上手につながります。
私が「がんばらない」という本を書いたのが12年ほど前ですが、
実はその数年前に私はパニック障害になっていました。
私を生んだ両親は事情があって私を育てられず、
私はある人に拾われました。
貧しい生活の中で、いつも「頑張る子」でした。
それは大人になっても変らず、諏訪の病院に行っても、
ボランティア活動や、国の制度が整っていないデイケアなどをやり、
自分に鞭打って来ました。
自分は強いから大丈夫だと思っていました。
でも病院の財政は苦しく、綱渡りだったのです。
そのことに気づかず、いつしか眠れなくなり、
冷や汗が出、ついに往診の車から降りられない状態になってしまいました。
それは、すべてをうまくやろうとして、交感神経を刺激し続けた結果です。
そのとき、人間は皆一緒だと気づきました。
自分の時間を持ち、リフレッシュすることも大事だと分かったのです。
それが「がんばらない」を書いた理由です。
今回「がまんしなくていい」という本を書いたのは、
内科医として、皆さんが生きるために、
幸せで健康で長生きをしてもらうために、
いい情報を提供しようと思ったからです。
そのための3つのシステムとは、
1、副交感神経を刺激する。
2、免疫力をつけるためにとにかく笑う。
3、感動したり、相手の身になって考えたりすることで、
脳の中によいホルモンを作り出すことです。