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過去の放送

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2012年11月17日放送 ジョン・ギャスライトさん(第1813回)

会場
大富公民館(焼津市)
講師
ツリークライミングジャパン代表・中部大学教授 ジョン・ギャスライト

講師紹介

1962年アメリカ生まれ、カナダ育ち。1985年来日。
農学博士で専門はツリークライミングセラピー。
木登りを通じて自然とふれ合い、
環境にやさしい心を育てるツリークライミングジャパンを設立。


ポイント第1813回「世界一大きな木の生き方」

私は小さいころから木との付き合いがありました。
おじいちゃんと木に登って高いところから景色を見ると、
嫌なことを忘れることが出来ました。
木は人間と同じで生まれる場所を選べません。
種が岩の上に落ちるか土の上に落ちるかで環境は全く違います。
しかし、そこで一生懸命生きなければなりません。

森は人ごみと似ています。
遠くから見るとただの緑ですが、
近くに行くとそれぞれの顔が違っているのに気づきます。

ジャイアントセコイアは世界一大きな木です。
太さは17メートル、高さは90メートル、皮の厚さが90センチもあります。
大きいのでたくさんの水と太陽の光を必要とします。
昔、恐竜の時代には世界のあちこちにありましたが、
今はカリフォルニアの一部にしか生えていません。

カリフォルニアのジャイアントセコイアは普通の木が嫌う場所で生きています。
富士山の5合目ほどの高さで、夏はとても乾燥し山火事が多く発生し、
冬は10メートルもの雪が積もるような場所です。

しかし、ジャイアントセコイアはそんな場所が好きです。
山火事も大好きなのです。
なぜかと言うと、厚い皮が断熱材となって燃えてしまうのを防ぐことが出来るからです。
周りの木は燃えてしまっても、自分だけが残り、
そのおかげでたくさんの水や光を取り込むことが出来ます。
さらに、山火事が起きて熱が上に上がり、松ぼっくり(セコイアコーン)から種が落ちてきて、
そこで芽を出すことが出来ます。

ジィアントセコイアはリスと友達です。
松ぼっくりの外側はおいしいのですが種はまずいので、食べ残して地面に落ちます。

この夏、私はジャイアントセコイアに登ってきました。
あまりに大きいので、まるで自分がセコイアの赤ちゃんになったような気持ちになりました。
60メートルくらいから上に行くに従って、枝が段々大きくなります。
一番上には松ぼっくりが1万個以上あり、
リスがそこにいてそれを食べているので、コーンがどんどん落ちてきます。

今、セコイアが生きている場所は、国立公園で、山火事が起きても人間が消してしまうので、
周りにはたくさんの木が大きくなり、セコイアは苦しんでいます。

私は再生プロジェクトを立ち上げて土地を買い、
世界一大きな、でも決して威張らず、文句を言わないこの木を守る運動を始めました。

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