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過去の放送

過去の放送

2013年4月20日放送 有森裕子さん(第1834回)

会場
サーラプラザ浜松(浜松市)
講師
元マラソン選手 有森裕子

講師紹介

1966年岡山県生まれ。
バルセロナ五輪の女子マラソンで銀メダル、
アトランタ五輪では銅メダルを獲得。
2007年に引退し、
現在は「ハート・オブ・ゴールド」代表理事、
「スペシャルオリンピックス日本」代表理事などを務める。

番組で紹介した本

「やめたくなったら、こう考える」
著:有森裕子(PHP研究所)


ポイント第1834回「やめたくなったらこう考える」

最近、何かうまく行かなかったり、
組織と合わなかったりするとすぐにやめてしまう人が多いという話を聞きます。
社会人でも3年続くのは珍しいとか...。

私は、走り始めて約25年、2007年に引退するまでの間、
走るのをやめたいと思ったことは一度もありません。
仕事で走っていたので「やめなければいけない」というタイミングはありましたが。

それは、自分で決めたことだからです。
私は生まれたときに両足が股関節脱臼で、
親はまともに歩けるようになればいいと思ったそうです。
ですから、スポーツはおろか、とても自分が他の人と同じようにできたり、
ましてや上に立てることがあるなどとは思えませんでした。
不器用でしたし、何かが見つかればラッキーという感じでした。

そんな何かに飢えていた、中学1年生のとき、運動会で人気がなく、
誰も走る人がいない800メートル走に自分から手を上げました。
800メートルがどんな距離かなんて知りませんでしたが、
とにかく空きがあるということだけで立候補したのです。

でも、ものすごく強い気持ちが私にはあって、
必死に練習し、優勝することが出来ました。
生まれて初めて「何かができた」と感じることができたのです。
これで生まれて初めて自信がつきました。

私は3年連続で優勝し、これをきっかけに自己表現を陸上に求め、
高校でも陸上の強い学校に入学しました。
しかし、中学時代大した成績のない私を、
高校の監督は取り合ってくれません。
「やめろやめろ」の一点張りです。
でもあきらめず、1ヶ月の間、先生に付きまとい続け、ついに入部を許されました。

ヒューマンタッチの伝え方が良かったと思います。
これがインターネットを通じてではどうにもならなかったでしょう。

いつか、もしかしたらというあきらめない気持ちを持っていれば、
人はその本気度を拾ってくれるものです。 
そこで私は、やめてしまうことはどれだけのものを失うかを思い知らされました。

小出監督にも助けられました。
猫背の私を見て「あなたはナチュラルに前傾していていい」と言ってくれたのです。
怪我をした時には「せっかく故障したんだから、今出来ることを何かしよう」とも言ってくれました。
それで焦りが消えました。
その言葉は何よりの薬でした。

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