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過去の放送

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2013年6月 1日放送 バイマーヤンジンさん(第1840回)

会場
沼津市民文化センター
講師
チベット声楽家 バイマーヤンジン

講師紹介

チベット・アムド地方出身。
名前はチベット語で「蓮の花にのった音楽の神様」の意味。
中国国立四川音楽大学卒業。
1994年来日後、全国でコンサートや講演を行い、
チベットの学校建設にも力を注いでいる。


ポイント第1840回「日本人から学ぶ」

私の故郷はチベットの山に囲まれた小さな村です。
しかも、標高は4000メートルと富士山よりも高く、
今も厳しい自然の中で暮らしています。
私も、野生児のように、馬や牛と一緒に育ちました。

今は、大阪に住んでいますが、
世界の中でも教養がとても高い日本でいろいろなことを学ばせてもらいました。
第一に学んだのは、約束を守ることです。
中国の大学にいたころ、主人と出会い、
時々待ち合わせてデートしていましたが、
私はいつも時間に遅れていました。
はじめは我慢していた主人が、あるとき30分遅れた私に
「遅いよ!約束を守れないなら約束なんかするな」と怒鳴ったのです。

チベットでは、時間は太陽の日差しで判断します。
私は時計も持っていませんでした。
私はその時「長い人生の中の30分くらいで、なぜそんなに怒るの?」と不思議に思いました。
それが私の価値観でした。
そこで初めて、人を待たせるのは悪いことと知ったのです。

日本に来てみると、電車が2分遅れただけでお詫びのアナウンスが入り、びっくりしました。
仕事柄、全国あちこちに出かけますが、駅の改札で現地の担当者が待っていてくれます。
私が10分前に行っても、もうそこにいます。  
ある時には、大学の教授と校門で待ち合わせていて、
私は少し早目にと思い、20分前に行きましたが、
すでにその先生は雨の中、待っていてくれました。
私はその時に「日本は物事をスムーズに運ぶために、こうした社会の秩序をしっかりと作り、
信頼度の高い社会を築いているのだな」と実感しました。

やはり学生時代のこと、主人とデート中に私がむいたバナナの皮を道端にポイと捨てたので、
主人が怒り、無言でティッシュに包んで持ち帰りました。
チベットではゴミといえば牛の糞を燃やしたカスぐらいで、どこにでも捨てます。
私は主人を変な人だなと思いつつもその後姿を「かっこいい」と思いました。
日本でも、大阪の駅の構内には小さなゴミ一つも落ちてはいません。

人前で化粧をしてはいけないとか、
「いただきます」や「ごちそうさま」など、チベットにはない言葉も知り、
その裏には深い意味のあることも学びました。

日本は素晴らしい文化を持っています。
私は日本で子育てができることをとても嬉しく思っています。
先祖から受け継いだ伝統を皆で守っていきたいと思います。

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