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過去の放送

過去の放送

2013年6月29日放送 東ちづるさん(第1844回)

会場
第一地区センター(沼津市)
講師
女優 東ちづる

講師紹介

広島県出身。
骨髄バンク、ドイツ平和村の活動支援等のボランティアを20年以上続けている。
2012年にまぜこぜの社会をめざす一般社団法人「Get in touch」を立ち上げ、理事長に就任。


ポイント第1844回「私は子どもの代弁者」

私は20年ほど前にボランティア活動を始めたころは、力が入りすぎていて、
活動の成果が出ないとか人に認められないとかで悩んでいました。
もともとそんなことを思って始めたのではないのに、
成果をあげたい私って何なんだろうと考えていました。

あるとき幼稚園に行くと、壁に「元気で明るくたくましいよい子」という言葉を見つけました。
私はそれを見て辛くなってしまいました。
元気でない子、たくましくない子、障害のある子は「よい子」ではないのかと。

そこでよみがえったのは、私が子どものころ、
母が私に学校のテストや運動で頑張ることを期待し、かけてくれた言葉でした。
私は長女で、母の期待が嬉しく、「よい子」になるために一生懸命に頑張っていたのでしょう。

でも、今はどんな子どもも「よい子」だと思います。
おぎゃあと生まれたらみんないい子です。
当時、「あなたは世界でたった一人のスペシャルな存在なのよ」と言われていたなら、
少数派に入ろうが多数派に入ろうが、何も気にしなかっただろうと思います。

ドイツに平和村というところがあり、戦争で傷ついた子どもが多くいます。
懸命に生きる姿を写真に撮って展示会を開いています。
あるアフガニスタンの子どもは川に流れてきたおもちゃを手ですくいあげたとたん、
そのおもちゃが爆発して両手を失いました。

そんな写真を見て、学校の先生やご両親が子どもたちに言います。
「この子たちはかわいそう、あなたたちはどれだけ恵まれているか」と。
私は心の中で「やめて!」と叫んでいます。
その言葉を戦地に行ってその人たちの前で言えるかどうかを考えてほしいのです。
言えないことは口にしないことです。
何かと比べて勝っているとか負けているとかを考えたら辛いのです。

戦地の子どもは不運で不自由で不便です。
でも、不幸とは違います。
彼らは私たちが忘れがちなこと、たとえば、勉強するのはなぜかを知っています。

小さい子に聞くと「だまされないため」と言います。
計算ができないとお釣りをごまかされるからです。
もう少し大きな子は、「文字が読めないと人間関係が作れない」と言い、
さらにもっと大きな子は「自分の得意分野をみつけるため」と言うのです。

教育をほとんど受けていない女の子も勉強を始めると看護師になりたいとか、
先生になりたいとか言うようになります。
なぜ勉強するのかを子どもに問われたら、
「あなたの人生が豊かになるのよ」と答えてほしいのです。 

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