2010年11月27日放送 瀬戸内寂聴さん(第1715回)
- 会場
- 静岡県長泉町文化センター
- 講師
- 作家・僧侶 瀬戸内寂聴
講師紹介
1922年徳島県生まれ。
1957年「女子大生 曲愛玲」で、新潮社同人雑誌賞受賞。
1973年 岩手県平泉町の中尊寺で得度し、法名を「寂聴」とする。
1997年 文化功労者受賞。2006年文化勲章受賞。
著書「田村俊子」「夏の終わり」「花に問え」「白道」「場所」などで、様々な賞を受賞。
第1715回「若く年をとる秘訣」
88歳になりました。
講演会などで、年齢を言うと、皆さん驚いてくれます。
「実年齢より若く見えるんだな」と嬉しくなります。
ある時、作家の渡辺淳一さんから「なぜ、いつまでもそんなに若いの」と聞かれましたが、
自分の年齢にこだわったことがありません。60歳になったら、赤い服を着てはいけないとか、
お化粧はダメとか、言う方がいますが、私は全く気にしません。
誰の為に遠慮するのですか。赤が似合うと思えば、着ればいいのです。
人の意見を気にしないで、好きなように生きれば、心が自由になり、若返ります。
私の小説「花芯」は内容が激しすぎると散々叩かれました。
その時、彼らの言う事を聞いて、おとなしい小説を書いていたら、今の私はありません。
やりたいことをやればいいのです。
時々、自分が何をしたいのか、考えてください。
年齢は関係ありません。それが見つかれば、生きている間に挑戦してください。
今まで、自分が知らなかった可能性に、気づくかも知れません。
何かに挑戦する気持ちを持ち続ければ、若さを保てるのです。
そして、できるなら同じ年代と付き合うより、若い人と付き合うことです。
同年代は、何を考え、何を悩んでいるか、だいたい分かりますよね。
私たちに、残された時間は多くありません。
やりたい事に気がついた時が、出発点です。今まで出来なかった事をやりましょう。