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過去の放送

過去の放送

2014年9月13日放送 岡崎好秀さん(第1904回)

会場
さくら台幼稚園(富士市)
講師
小児歯科医 岡崎好秀

講師紹介

1952年大阪府生まれ。
専門は小児歯科・障がい児歯科・健康教育。
動物の歯にも造詣が深く、動物園への往診も行う。
現在はモンゴル健康科学大学 歯学部 客員教授。


ポイント第1904回「口は子どもの履歴書」

ここに一枚の写真があります
(虫歯だらけの口の中の写真)。
これは永久歯ですが、18歳の高校生のものです。
まだ18歳でこの先どうするのだろうというような
ひどい歯です。

これを回りの歯科医に見せると、
こんなのは見たことがないと言います。

ところが、こういう歯が沢山見られる場所があります
。それは少年院です。

しかも、凶悪な事件を起こして
少年院に入ってきた子にこういう歯が多いのです。

ちょっと考えると、
少年院に入るような子だから
こんな歯をしているのだと思いがちですが、
歯科医の立場から見ると、
永久歯がこうなるためには乳歯の時に
その原因があったのだと考えます。

永久歯は予防も自己責任と言いますが、
子供のときに食べ物に気をつけるとか、
だらだら食いをやめるとか、
歯を磨いてあげるとか、
家の人のちょっとした考え方で虫歯は防げるものです。

そのように考えると、
この子の非行はこの子のだけのせいではなく、
小さいときからの育児環境にもあることが分かってきます。

最近、ネグレクトとか、虐待とかの問題が
日本中で毎日のように起きています。

そうした子どもたちの歯科検診のデータを見ると、
虫歯が多く、治療もしていないことが多いのが分かります。

虫歯すなわち非行と言うわけではありませんが
私は親の子に対する関心のなさが
口の中に現れているような気がします。

これは、私が37年歯科医をやって来て
初めてみた不自然な口です
(5歳の子どもの口の中の写真、下の前歯が3本ない)。

普通、この年齢で歯がないといっても、
上の歯で、幼稚園で転んで抜けてしまうようなケースです。

ところがこの子は下の歯が3本もない。
この子を連れてきた児童養護施設の方に聞くと
、父親に殴られたとのことでした。

私は可哀想だと思うと同時に、
この子が将来どうなって行くのだろうと心配になりました。

「置かれた場所で咲きなさい」の著者で
岡山のノートルダム清心学園の理事長、
渡辺和子さんは「人はほめられて初めて自分の良さに気付き、
愛されて初めて人を愛することが出来、
認められて初めて心にゆとりを持つことが出来る」と仰っています。

この5歳の子はどれにも該当していないのです。
幼少期に親を信頼できずに、
どうして大きくなって社会を信じられるというのでしょうか。

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