2010年12月11日放送 落合恵子さん(第1717回)
- 会場
- 御殿場市民会館
- 講師
- 作家・クレヨンハウス主宰 落合恵子
講師紹介
1945年栃木県生まれ。執筆活動と並行して、
子どもの本の専門店クレヨンハウスなどを展開。
総合育児・保育雑誌「月刊クーヨン」や、
オーガニックマガジン「いいね」の発行人。
番組で紹介した本
おやすみ、ぼく 訳 :落合恵子 発行:クレヨンハウス第1717回「"育児"と"育自"」
子どもの本の専門店「クレヨンハウス」を始めて35年になりました。
子どもの頃、母が仕事をしていましたので、帰りが遅いと、いつも本を読んでいました。
それは、本に登場する主人公や動物に思いを寄せることができ、大人に邪魔されない、
とても素敵で自由な時間でした。本屋にもよく行きましたが、当時は立ち読みしていると嫌がられました。
大人になって、欧米の街で子どもの本の専門店を見かけました。
子どもや大人が椅子に座って、本を読んだり、話したりしているコミュニケーションの場でした。
ある子どもが「お母さんが子どものときに読んだ本なの」と言って、本を見せてくれました。
すると他の子が「この本は、お父さんもここに座って読んでいたの」と話しかけてきました。
長い時間をかけて地域の人々と成長している本屋なのだと思いました。
日本に帰ったら、座り読みのできる本屋を絶対につくろうと思いました。
本好きの子どもに育てたいと皆さん言います。子どもたちは言います。
「読み終えた後、テストしないで」と。例えば「うさぎは、何匹出ていた?」などと聞いていませんか。
子どもはテストされていると敏感に感じます。
それは子どもを狭い意味での学習に閉じ込めてしまうことになります。
そうすることがもったいないことだと気づく、つまり大人が自らを育てることが「育自」。
そして、それが結果的に子どもたちの想像力を高め、共感力をつけ、生きる力をつけることに
つながるのだと思います。