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過去の放送

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2014年12月13日放送 鎌田實さん(第1917回)

会場
常葉学園(静岡市)
講師
医師・作家 鎌田實

講師紹介

1948年東京生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。
諏訪中央病院名誉院長。地域医療に携わる傍ら、
イラクや東日本の被災地支援にも取り組む。
「がんばらない」、「大・大往生」など著書多数。

番組で紹介した本

「1%の力」
著者:鎌田實(河出書房新社)


ポイント第1917回「鎌田流・1%の力」

辛い状況の中にある時、いつも自分自身に言い聞かせてきたのは
「1%ここで努力すれば何かが変わるのでは」という思いです。

40年前、東京の国立大学医学部を卒業して同級生の中でただ一人、
長野の茅野市にある病院にお世話になりました。

そこは、脳卒中が多く、不健康で、早死にで、医療費の高い地域でした。

今や、長野県は男女ともに平均寿命が日本一になっていますが、
その健康作り運動になぜ成功したのかと言うと、
1%の力が大事だったのです。

長い間で身につけてしまった生活習慣を
100%転換させることは簡単ではありません。
100%生き方を変えろと言われてもそうそう出来ないものです。

そこで、私は住民の方たちに、
「1%だけ変わってみませんか?」と言いました。

もし、「全面的に変わってもらわなければ長生きは出来ません」などと言えば、
聞く耳を持ってはもらえません。
「皆さんは理由があってこうして生きているのだから、
それはとても立派なことです。
でも僕は健康作り運動のプロとして、1%だけ耳を傾けて下さい」と言ったら、
それならやってみようかと。

それをやっているうちに知らず知らずのうちに変わって行きました。
人は成績が良くなるともっとやってみようとなるものです。
長野では、初め女の人が私の話を聞きに来てくれて
健康作り運動を始めてくれましたが、男の人からは完全に無視されました。
「東京から来た若造になんか俺たちの苦しみが分かるものか」と言うのです。

それが、「鎌田先生のためになら」というように変わったのはご飯が契機でした。

鎌田は飯に誘うと来るという評判が立ったのです。
最初は病院の事務長さんが自宅に誘ってくれ、
近所の人たちを呼び、その人たちのそれぞれ持ち寄るおかずで宴会になりました。

やがて「鎌田は何を出してもうまいと言う」というのが村の噂になり、
珍しい動物でも見るような眼で皆から御座敷がかかるようになりました。

その地域の食文化を教わり、同じ釜の飯を食べることによって、
男の人たちも私の話を聞いてくれるようになりました。

そうやって、減塩運動や野菜摂取量などを増やし、
あれよあれよと言う間に長野は長寿日本一になっていました。

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