テレしず ホーム > テレビ寺子屋 > 分からないってなんだ

テレビ寺子屋毎週日曜日 午前6時30分~

トップへ戻る

公開録画会場 随時募集中!

全国の放送予定はこちら

  • お知らせ
  • 寺子屋の歩み
  • 次回の寺子屋
  • 講師紹介
  • 過去の放送
  • 会場募集
  • ご意見・ご感想

過去の放送

過去の放送

2014年12月27日放送 きたやまおさむさん(第1918回)

会場
大井川公民館(焼津市)
講師
精神科医・作詞家 きたやまおさむ

講師紹介

1946年淡路島生まれ。京都府立医科大学卒。
北山医院院長を経て、九州大学名誉教授。
白鴎大学副学長兼特任教授、国際基督教大学客員教授。
作詞家としての代表作は
「戦争を知らない子どもたち」
「あの素晴らしい愛をもう一度」など。
著書多数。


ポイント第1918回「分からないってなんだ」

分からないという言葉についてずっと気になっていました。

北山は何を考えているのか分からないと言われます。
人の心は見えないわけですから、
簡単には分からないのだと思います。
皆さんも分かってほしいと思いながら、
一方で簡単に分かってたまるかという気持ちもあることでしょう。

まず、分かるって何でしょう?

赤ちゃんがこの世にやって来た時、
あるいは皆さんがこの世に初めてやって来た時、
あるいは私が見知らぬ町に行った時、
「よく分からない」のです。

日本語はすごく良くできていると思うんですけど、
漢字では、「分けられる」と書きます。
ここにいる人はいい人、ここにいるのは悪い人と言う風に、
分けていくのです。
それが私たちの習性と言うか。

心って胃袋と同じだと思うんですけど、
何となく世界が分からない時、未消化って言いますね。
これを何とか消化しようとする。
英語でも、DIGEST(ダイジェスト=消化するの意)は
分かると言うことと同義語なんですね。
腑に落ちるって言いますね。
それと同じ感覚で心の胃袋に落ちるのだと思います。
つまり、心というのは何とかして世界を分けて、消化して、
納得して、腑に落ちるようにする類のものだと思います。

精神科医は
「お前の言っていることはよくわからないから
もう少し分かりやすく言いなさい」
と言われている人たちを取り扱っていることが多い。

一生懸命に生きているのに、お母さんや世の中に
分かってもらえないという思いを抱いている人たちにお会いして、
その問題について何とかわってあげる、
あるいは分かってもらえるにはどうしたらいいのかを
一緒に考えることが仕事です。

分かってもらえないと言うのは、分けてもらえない、
分類されないということなんです。

世界がAとBの二つで出来ていたとして、
そのどちらにも属さない人たち、
いわゆる中途半端と言われる人たちが存在します。

男なのか女なのか、生きているのか死んでいるのか。
そういう存在に対して日本はどうも冷たいように思います。

AなのかBなのか、はっきり線引きをしたがり、
あいまいなものに対しては潔く身を引くことを求める傾向にある。

でも、その状態から抜け出すのは時間がかかります。
私たちはどんな状態になっても、
じっくりと時間をかけてゆっくりと過ごしていきましょう。

ページの先頭へ

ページの先頭へ