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過去の放送

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2015年2月21日放送 菊地幸夫さん(第1925回)

会場
御殿場市民会館小ホール(御殿場市)
講師
弁護士 菊地幸夫

講師紹介

中央大学法学部卒業。元司法研修所刑事弁護教官。
テレビでの法律相談やコメンテーターとしても活躍。
各地のトライアスロン大会へ出場するなど、
弁護士業務の傍ら、体力作りにも勤しんでいる。


ポイント第1925回「子どもの心の声を聞く」

平日は弁護士の仕事をしていますが、

週末には地元の小学校で女子バレーボールチームの監督をしています。

チームの特色はと聞かれたら、「行儀の悪いチーム」と言うことになります。

スポーツチームでよくあるのは、選手が「気をつけ」をして、

「おはようございます」と大きな声で挨拶をし、

監督やコーチが「よし、がんばるぞ!」とか

「優勝するぞ!」とか言っているようなチームです。

姿勢を正すことは悪いことではないと思いますが、

気をつけをすることは口を封じることでもあります。

気をつけをしたあと、子どもたちが話せるのは

「ハイ」とか「ありがとうございます」とかの肯定的なセリフばかりです。

うちのチームは、気をつけをしたり改まって挨拶したりはしません。

練習の始まりは、僕が体育館に入って靴ひもを結んでいる頃、

キャプテンが「集合!」と言って皆が集まり、だらだらと走り始めます。

皆、体育館で挨拶をしないのは、僕が自転車で体育館に来る道すがら、

歩いている彼女たちと会っていてすでに「おはよう」は言ってしまったからです。

家でも朝起きて、僕が妻に2度もおはようと言ったら変でしょう。

子どもたちの口を封じて「ハイ」と「ありがとうございます」だけなんて茶番劇です。

大学で20年法律を学ぶ学生に授業をしていますが、

4月に入学した新入生に、裁判の問題を考えるように仕向けても、シーンとしている。

誰も考えようとしない。

それでいて、私がいざ答えを言う段になると、一斉に上を向いてメモの用意をする。

彼らはもしかしたら、中学、高校時代を通じて、

考えるという作業をしないことに慣れてしまっているのではないでしょうか。

やがて社会人になる彼らはいろいろな問題にぶつかり、

自分で乗り越えなければならない時が来ます。

だから、小学生の時に、自分で考える方向に持って行ったらいいのではと思っています。

「監督、今日はドッジボールやろう」という選手がいたらよし、やろうと言います。

そうやって自分の意見を言ってそれが採用されれば、

次にも何かいいアイデアを持ってくるかもしれません。

上から押しつけるのではなく、常に平等にフィフティフィフティの関係で、

お互い同じ価値の人間として扱うことで、

その子もいつか周りの人を平等に扱える人間になれるのではないかと思っています。

それは人権教育の一歩だと思います。

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