2015年4月12日放送 藤原和博さん（第1932回）
- 会場
- 榛原中学校（牧之原市）
- 講師
- 教育改革実践家 藤原和博
講師紹介
１９５５年生まれ。
１９７８年東京大学経済学部卒業後、リクルート入社。
２００３年より５年間、東京都内では義務教育初の
民間人として、和田中学校校長に。
著書「坂の上の坂」は１２万部を超えるベストセラー。
番組で紹介した本
藤原和博の必ず食える１％の人になる方法 著者：藤原和博（東洋経済新聞社）
第1932回「自分をレアカードにする方法」
自分のお子さんが将来稼ぐようになってほしい、
税金もきちんと払えるようになってほしいと誰もが思うでしょう。
今日は稼ぎの秘密についてお話します。
このことは学校では教えていません。
日本の時給に注目してみますと、
例えば、高校生以上くらいの年齢で
ハンバーガーショップのアルバイトとして働けば
時給は８００円くらい、
これをもっと上げるにはＩＴ系でプログラムが作れたら
２０００円くらいになります。
ゲームのプログラムが作れればもっと上がるでしょう。
公務員やサラリーマンの多くは
１日８時間、週に５日で合計４０時間を働きます。
１年５０週で２０００時間という計算です。
残業やサービス残業、
または管理職で２４００時間とか３０００時間くらいになる人もいますが、
平均的な２０００時間で４００万円の年収だと時給は２０００円、
管理職でも５０００円くらいです。
５０００円というと、東大に必ず入れますという家庭教師がそのぐらいです。
するとサラリーマンは安いのかといえば、
保険とか年金とか保障の部分がありますからそうとも言えません。
大体がこの範囲に入っているといえます。
これ以上の時給の職業は、
エキスパートの大工さんや庭師さんが１００００円くらい。
売れっ子の弁護士で３万円くらいです。
さらに上を見ると、カルロス・ゴーンさんのように
世界戦略のアドバイスが出来るアドバイザーなら８００００円くらいになります。
さて、アルバイトの８００円から８００００円のアドバイザーとの差はというと、
１００倍の開きがあります。
こうした比較はあくまでの付加価値のレベルの差で、
どちらが偉いとか、大事とかという話ではありません。
８００円の外にはボランティアという世界もあり、
マザーテレサに代表される立派な仕事です。
逆に８００００円の外側には、スティーブジョブスのような企業家といわれる人や
イチローのようなスターがいて飛び越えています。
その差はなにかというとよく小学生たちが答えるのは
「大変さ」「年齢」「技」などですが、そうではありません。
「希少性」が答えです。
つまり、かけがえのなさ、需要と供給の関係で、
需要が少なくても供給がそれ以上に少ないと希少性が高まる。
オリンピックの金メダリストは１００万人に一人ですが、
１つの分野だけでなく、複数の分野において１００人に１人の存在になれれば
それを３つかけあわせて１００万人に１人、
つまり、オリンピックメダリストクラスのレアな人間になれる可能性があるのです。
お子さんにはぜひ「レアカードになれ」と教えてあげてください。
