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過去の放送

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2015年5月17日放送 アグネス・チャンさん(第1937回)

会場
菊川市文化会館アエル(菊川市)
講師
歌手・教育学博士 アグネス・チャン

講師紹介

香港生まれ。1972年「ひなげしの花」で日本デビュー。
上智大学、トロント大学を経て米国スタンフォード大学へ。
現在、歌手活動のほか、ユニセフアジア親善大使、
日本対がん協会「ほほえみ大使」などとして活躍。

番組で紹介した本

「女性に優しい日本になれたのか」 著者:アグネス・チャン(潮出版社)

ポイント第1937回「女性に優しい日本になれたのか」

長男が生まれたとき、テレビ番組を多く抱えていて、

生まれるギリギリまで働いていました。でも、産んでから休んでいると、

「早く復帰してください」と言われ、

「それなら私は母乳をあげているから、赤ちゃんを連れて行ってもいい?」と聞くと

「いいですよ」と言われたので、子連れで仕事場に行くようになったのです。

親戚が付き合ってくれて楽屋で待っていてくれたり、

ほかの出演者も次々にあやしてくれたりして楽しかったのですが、

見ていない人は異論を言いました。

それでアグネス論争が起きました。

その当時は、働くなら産むな、産んだら家に入れ、

子育てのときに働くのは欲張りだと言われたものです。

でも私は生活が苦しい香港で、

女性も男性も働かなくては家族を支えられない状況で育ったので、

仕事を辞めることは考えられませんでした。

母にもよく「働けるときが花よ」と言われていました。

バッシングを受けて気持ちも暗くなっていましたが、

夫には、「時間がたてばわかってもらえる、自分の生き方で証明しなさい」と言われ、

それを信じて頑張りました。

そこにアメリカのスタンフォード大学の先生から連絡があり

「あなたはこちらに来て大学院で男女の差別について勉強をしたほうがいい、

そうでないと今の論争はただの芸能人の出来事で終わる」と言われたのです。

私は、2人目を妊娠していましたが、実際に大学に行ってみると、

その大学は子育てのための施設が充実していて、男性も子連れで通っていて、

お腹の大きい人も勉強しに来ていました。

おかげで博士号を取得でき、帰ってから女性のために発言ができるようになりました。

先日先生とお会いしたとき、先生は「アメリカでも論争が起きている」と言います。

ヤフーの女性CEOが同じように子連れをして論争が起きているというのです。

20年以上経ってもまだそうなのかと思いました。

そのときの長男も早28歳、その間少しは社会もよくなったと思いますが、

女性が子供を産んで働くのはいいことと答える人が半分に増えたのに、

実際には子を産んだ女性の7割が仕事を辞めています。

賃金面や女性の管理職登用も、まだ日本は遅れています。

それが晩婚化の要因でもあります。

すべての女性が働くべきだとは思いませんが、

自由に人生を設計できる状況を作れればいいと思います。

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