2016年9月11日放送 原坂一郎さん(第1999回)
- 会場
- 認定こども園さくら台幼稚園(富士市)
- 講師
- こどもコンサルタント 原坂一郎
講師紹介
神戸市生まれ。23年間の保育士勤務を経て、
2004年「こどもコンサルタント」として独立。
笑いと笑顔をキーワードに、子育てに関する講演を
全国で展開。日本笑い学会の理事も務める。
番組で紹介した本
「ガミガミ言うより 笑顔だけで子どもが変わる」 著者:原坂一郎(PHP研究所)第1999回「笑顔が一番!」
日本笑い学会をご存知ですか?
人間と笑いの関係を研究しているところで22年前に発足、
当時保育士をしていて、
子どもと笑いは大きな関係性があると感じていたので入会し、
研究発表などをするうちに理事になってしまいました。
笑いは大切だとなんとなく分かっていてもそれは言葉だけだったりします。
でも、ある時そのことを思い知りました。
今から13年前のこと。
自宅からミニバイクに乗って買い物に出かけた時、
いつもなら車も来ないような小さな交差点で車にはねられ、
電柱に顔をぶつけて百針も縫うけがをしました。
1か月保育園を休み、子どもたちと再会したとき、
私はまだ顔面が痛くて笑えなかったのです。
おかしいのに笑えないのはとても辛いことでした。
そして、廊下ですれ違うと子どもたちが、
「せんせい、おこっとん?」(先生怒っているの?)と聞くのです。
私はすぐに集会を開いて「せんせいはおこっているんじゃなくて、
車にはねられてニコニコできないんだよ」と説明しました。
子どもたちはそれで安心してくれましたが、
そのあともすれ違うたびに私の顔を指差して
「おこってないよね」と確認してくるのでした。
子どもは大人に笑顔がないと不安になるのです。
しかもいつもはあれほどニコニコしている私がそうなってしまったのですから、
子どもたちの反応も当然と言うべきです。
私はその時ほど笑顔の大切さを痛感したことはありません。
笑顔は人のためにあると言う言葉があります。
自分の笑顔は自分では見られませんがそれでいいのです。
先生が笑顔で嬉しいのは子どもたち。
親が笑顔で安心するのも子どもたちです。
実際に幼稚園で一日中子どもと過ごしていて
ずっと笑顔でいられるわけではありません。
でも、1時間に20回、3秒の笑顔を作るだけで良いのです。
つまり合計1分間です。あとの59分は普通の顔でいいのです。
取ってつけたような笑顔はいりません。
何か床にものを落としたら「あ、落としちゃった」と少しおどけて言えばいい。
何か人にものを頼むとき「これ捨ててきてくれる?」と
軽く微笑みながら自然に言えばいいのです。
それだけで十分1回分の笑顔にカウントできます。
素敵な笑顔は赤の他人にばかり見せるのではなく
自分の大切なベスト3の人たちに見せてあげましょう。