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過去の放送

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2016年10月 9日放送 大棟耕介さん(第2003回)

会場
相良総合センターい~ら(牧之原市)
講師
ホスピタルクラウン 大棟耕介

講師紹介

1969年生まれ、愛知県出身。筑波大学卒業。
2020年に「クラウン・オブ・ザ・イヤー」を受賞。
病院を回る「ホスピタルクラウン」の活動をはじめ、
被災地や戦地へも笑顔を届けている。


ポイント第2003回「子どもたちから学ぶ命」

クラウンとは王冠の意味でなく、赤い鼻をつけ、メークをして、

ダボダボのズボンをはいたピエロのことです。

 サーカスや遊園地でのパフォーマンスを想像されるかと思いますが、

僕たちはホスピタルクラウン、空いている平日、

病院を回って子どもたちの前で様々なパフォーマンスをしています。

北海道から沖縄まで、現在70の病院を平均週2回訪問します。

 ホールなどの広い場所ではなく、ベッドサイドに行き、

1対1あるいは1対2で小さなパフォーマンスをします。 

マジックやバルーン、言葉遊びなどです。

 ワールド・クラウン・アソシエーションのアジア事務局長を務めているので、

時にはアメリカなど海外に出かけてこの活動を指導したりしながら10年が経ちました。

 僕たちの存在は病院でどんなものでしょうか。

僕たちは家族や友人にはなれません。医療従事者にもなれません。

出来ることはわずかです。

サーカスでは動物が主役で僕たちクラウンは脇役。

それと同じように病院での主役は闘病中の子どもたちで僕たちは脇役です。

 同じような関係でパフォーマンスをし、

子どもたちをより高い所に上げて行くのが役目です。

 病院は病気を治すところですが、

例えば受験勉強中、ちょっと眠くなって窓を開けたら

冷たい新鮮な風が入ってきた時の記憶はありませんか。

つまり僕たちは外からの空気を病院に持ち込むことが出来る存在なのです。

 例えれば親戚のおじさんおばさんのようなもの。

親戚のおじさんおばさん、大好きではありませんでしたか?

両親から、あのおじさんの真似はしちゃダメだよと言われるような

ちょっと不良な存在。

でもたまに来るとお小遣いをくれたり、

親がだめだと言うものを買って来てくれたり。

 そんな第3の存在って子どもたちに必要なんじゃないかと思うのです。

 僕たちは病気の子どもに対してパフォーマンスをしていません。

ただ"子ども"という部分でしているだけです。

 あえて適当な感じを出しながら、

高田純次さんやボビーオロゴンさんみたいな受け答えをして、

それによって子どもたちがより子どもらしさを取り戻していく。

 普段病院にいるはずのない人がいる。

100点満点でいえば、派手な衣装を着た僕たちが病院に行くだけで

「え?誰?」と気づいてくれればそれで1点、

その時に子どもは病気のことを忘れるのです。 

そして、目が合ったら2点。

「いよっ!」と手を上げてそれに応えてくれたら5点。

行かなければ0点です。

 長くクラウンをしていると嬉しいことも悲しいこともあります。

亡くなっていく子どももいます。とても悲しいことですが、

でも僕はクラウンとしての立ち位置を守りながら、淡々と活動を続けます。

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