2017年9月24日放送 坂本廣子さん(第2049回)
- 会場
- 泉小学校(浜松市)
- 講師
- 料理研究家・防災教育スペシャリスト 坂本廣子
講師紹介
神戸生まれ。サカモトキッチンスタジオ主宰。
幼少期からの食育を30年以上前から提唱。
食育、介護、防災、食の村おこしなど、
広く問題解決に取り組む社会派料理研究家。
番組で紹介した本
『いのちを守り「災後」を生きるために くらしの防災』 著者:坂本廣子・坂本佳奈(メタモル出版)第2049回「いざという時 子どもを守る」
災害に遭った時に一番大切な事は死なない事、命を失わない事です。
では災害の後、命を失う危険はどんな所にあると思いますか?
災害から子どもを守るためにどうすれば良いかを考えてみましょう。
まず始めは呼吸を確保する事です。
災害によって発生した粉塵を吸い込まないよう対策をし、窒息を防ぐ事がとても重要です。
次に水の確保です。日頃から500mlのペットボトルを家に備蓄して欲しいです。
なぜ500mlのペットボトルかというと、大きな容器だとゴミなどが入った場合に
全部捨てなければならずもったいないからです。
500mlのペットボトルで1日5~6本あると良いと思います。
そして飲み方は一度にたくさんではなく、
1時間に50mlずつ飲むようにすると脱水症状を防ぐことができます。
ただし、水だけを摂取していると低ナトリウム症の恐れがあります。
これを避けるためには水に砂糖と塩を混ぜると良いでしょう。
食事についても注意する点があります。それは食中毒防止三原則。
ばい菌を「付けない」、「増やさない」、「やっつける」という事です。
洗っていない手は、ばい菌が多いので食品を素手で触るのは避けましょう。
ラップやビニールを介して触ると、ばい菌が移りません。
まな板もそうです。皆さんリンゴの皮を剥くとき空中で剥きますよね。
これと同じ論理でまな板を使わず全ての調理を空中でするのがおすすめです。
とにかくばい菌を「付けない」、「増やさない」、「やっつける」が大切です。
最後に栄養素についてです。
災害時はミネラルの消費量が増えます。
ミネラルは体のバランスを保つのに大切な成分です。
ミネラルの豊富な食品に海苔がありますが、海苔は備蓄にも適しています。
これを一日一枚程度食べるとミネラルを補うことができます。
それからタンパク質も意識して摂取して欲しいです。
脳は20才になるまで成長を続けています。
この成長に大きく影響を与えているのが必須アミノ酸です。
タンパク質はアミノ酸で構成されていて、肉、魚、卵などから摂取できます。
ところがライフラインが途絶えた時、これらは入手困難になります。
コンスタントに栄養を与え続けないと子どもの脳は発達が止まってしまいます。
災害の後でもタンパク質を摂取するためには、缶詰や豆類を活用すると便利です。
後悔しないためにも日頃からいざという時のために備え、
その備えが子どもを守る事に繋がるのだと覚えておいてください。