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過去の放送

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2017年10月 1日放送 親野智可等さん(第2050回)

会場
大泉町文化むら(群馬県邑楽郡大泉町)
講師
教育評論家 親野智可等

講師紹介

1958年静岡県生まれ。公立小学校で23年間教師を務める。
教育現場で親が子どもに与える影響の大きさを痛感。
教師としての経験と知識を子育てに役立ててもらいたいと
メールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発刊し、評判となる。


ポイント第2050回「写真を使って子どもを伸ばす」

私は小学校の教員を二十三年間勤めました。

今から三十年ほど前の家庭訪問の事を今でも鮮明に覚えています。

ある家庭の玄関先に家族写真がたくさん貼ってありました。

ほとんどが父と娘の写真です。

その家庭はお父さん、お母さん、そして私の教え子である女の子の三人家族。

お母さんに「なぜこんなにたくさん写真が貼ってあるのですか?」と尋ねると、

お父さんの仕事が船員で我が子と触れ合う機会が少ないのが理由だとわかりました。

「娘と主人が仲良くしている写真を貼ることで、

なかなか会えない主人の事を忘れさせないようにしているんです。」と。

お父さんは一度仕事に出ると数か月帰ってこないそうです。

お父さんに肩車をしてもらい笑っている写真、一緒に砂遊びをしている写真、

どれを見ても微笑ましいものでした。

玄関先だけでなくリビングやトイレまで、家中に写真が貼ってありました。

その女の子は写真のおかげで、

いつもお父さんの事を忘れない「お父さん大好きっ子」に育ったようです。

子どもが何か悪い事をした時、怒るだけでは大人の話を聞き入れません。

悪い事をするのは愛情確認行動です。

子どもは周りの人が自分の事をどれだけ思っていてくれているか心配なのです。

例えば兄弟喧嘩をしている時、「やめなさい!」と怒ってもやめません。

ところが仲が良い時に撮影した兄弟写真を日頃から家の中に貼っていると、

不思議と喧嘩をしなくなります。

皆さんの携帯電話の中にも家族や兄弟の仲良し写真がありますよね。

それらを印刷して家のあちらこちらに貼ることで、「あなた達は仲が良い」と視覚で教えてあげてください。

人間関係を良好にするだけでなく、人を動かす力も写真にはあります。

努力している時の写真や、達成した時の写真を貼ってみましょう。

サッカーのリフティングをしている時の写真、ピアノを練習している時の写真、

試合に勝った時の写真、コンクールで賞を取った時の写真など。

これらを日常的に目にすることで子どもは「努力は報われる」という自己肯定感を覚えます。

また、誰かが産まれた時の写真を貼るのも良いでしょう。

産まれた瞬間は「ただ健康に育って欲しい」という事しか望まなかったはずです。

子どもが大きくなるにつれて様々な欲がでてきますが、

写真によって初心に返り謙虚な気持ちになれるはずです。

そして子ども自身は、自分が大切にされ愛されていることを再確認できます。

写真は撮るだけでなく貼ることによって、様々な効果を生み出すのです。

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