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2017年12月24日放送 田中ウルヴェ京さん(第2062回)

会場
第一地区センター(沼津市)
講師
スポーツ心理学者・博士 田中ウルヴェ京

講師紹介

ソウル五輪シンクロ・デュエット銅メダリスト。米国大学院修士修了(スポーツ心理学)。慶應大学にて博士号取得(システムデザイン・マネジメント学)。慶應義塾大学特任准教授。トップアスリートや経営者など幅広く心理コンサルティングに携わる。一男一女の母。


ポイント第2062回「新しい自分を作ろう」

オリンピック選手が現役生活から引退する時、

あるいは引退を決意した時は人生の大きな節目となります。

環境が変わる時、人生の節目のことを「トランジション」と言いますが、

国際オリンピック委員会(IOC)ではこういった選手をサポートするシステムがあります。

ところが、環境が変わる節目はスポーツ選手だけに限られた事ではありません。

一般の人、誰にでもある事です。

例えば転勤の多い家庭に育った子どもは転校するたび新しい環境に慣れなくてはなりません。

今までと違った生活が始まるのです。

あるいは高校時代を思い出してみてください。

就職するのか、大学に進学するのか、進学先が決まっていたとしても

「その勉強は本当に自分がしたい事なのか」など、皆さんも悩んだ事があるでしょう。

その様な状態はトランジションと同じです。

オリンピック選手も日常生活でトランジションを経験しているのですが、

普通の人と決定的に違った特殊な心理環境があります。

「水泳で強いA子さん」や「サッカー選手のBくん」という

「スポーツ選手の自分」が幼い頃から作られ、周囲の人に認知されています。

どこに進学しようがどこに就職しようが、

「スポーツ選手の自分」というずっと変わらないイメージが付いてまわります。

もちろんこれは良い事もあります。

心理学の研究では「選手としての自分」を持っている度合が高ければ高いほど、

競技成績が高くなるというデータがあるのです。

ところが、引退した瞬間から選手としての競技活動はなくなります。

身体的、社会的には競技から離れるのですが、

心理的には競技生活を送っている「自分」がずっと残ってしまうのです。

これがオリンピック選手の特徴的な心理の状態です。

その時に「スポーツ選手ではない新しい自分」を作らなければならないのですが、

まれに作らなくてもいい人もいます。

例えば引退後でも「スポーツ選手の自分」の名前だけで、

競技以外の色々な仕事が入ってくる人などです。

でもほとんどの人がオリンピックまでは有名でも引退後は世間から忘れられてしまいます。

またオリンピックに出場できなかった選手もたくさんいます。

これら選手の第二の人生をキャリアプログラムとしてどのようにサポートしていくか、

またそれがいかに大切な事かをお話したいと思います。

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