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2018年1月21日放送 齋藤孝さん(第2065回)

会場
ツインメッセ静岡(静岡市)
講師
明治大学文学部教授 齋藤孝

講師紹介

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、
同大学院教育学研究科博士課程等を経て現職。
専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。
「声に出して読みたい日本語」ほか、著書多数。

番組で紹介した本

「語彙力こそが教養である」 著:齋藤孝(角川新書)

ポイント第2065回「語彙力こそが教養である」

「語彙力」という言葉はまだあまり世間では知られていないかもしれません。

しかし私は非常に大切な言葉だと思いますし、日本中に流行らせたいと思っています。

いかにたくさん言葉を知っているかという力が「語彙力」です。

言葉を知らないと話ができないし書く事もできません。

例えばすごく良い物を見た時に「かわいい!」とか

「ヤバくない!?」「チョーヤバくない!?」など、

身に付けている言葉が少なくても日常生活の会話は成り立ちます。

これらの言葉は便利すぎて何でも表現する事ができるので、言葉が増えなくなってしまいます。

表現力が乏しいと感情が豊かになりません。

語彙力を付けることで感情も豊かになり考えも深まっていきます。

皆さんの「語彙力」をチェックしてみましょう。

私が「肝を」と言うと続く言葉は何かわかりますか?

「肝を・冷やす」ですよね。

「肝胆(かんたん)」に続くのは「相照らす」。

「断腸の」と言ったら「思い」。

「灰燼(かいじん)に」...「帰す」など、わかりましたか?

これらの言葉は日常的にあまり使われていません。

「この前のプランは灰燼に帰したね。」とは日常会話で出てきませんよね。

でも使われていないからといって使わないでいると語彙は増えていきません。

私が言いたいのは「普段使わない言葉も意識的に使うようにしていこう」という事です。

そのきっかけとなるのは活字文化です。

日常生活で使われる言葉の数は五百~千語くらいだと思います。

新聞や本などに書かれている言葉はこれより遥かに多い数です。

ではどのように新聞や本から言葉を学ぶかというと、

例えば「義」という漢字を見たとします。

この字を使った熟語を考えると「恩義を感じる」とか「正義感」「義理を果たす」「義務感」など、

一つの漢字から様々な言葉を作ることができます。

熟語を作ることができると、「義」という漢字が持つ意味が分かってくると思います。

「義」という字は「ちゃんとしたこと」という意味を持っていると推測されるはずです。

「義」は「義しい」と書いて「ただしい」と読みます。

言葉の語源まで遡って考えるとさらに語彙力は増していきます。

日頃から新聞や本に触れている人は語彙力が豊富です。

考えながら活字に触れ、語彙力を増やし、感情豊かな生活を送って欲しいと思います。

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