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過去の放送

過去の放送

2018年1月28日放送 樹原涼子さん(第2066回)

会場
豊田南小学校(磐田市)
講師
音楽教育家 樹原涼子

講師紹介

熊本市生まれ。武蔵野音楽大学卒業。
1991年より順次出版されたメソッド「ピアノランド」がベスト&ロングセラーに。
作曲・執筆の傍ら、セミナーやコンサート、音大での特別講義などを通じ、
ピアノ教育界に新しい提案と実践を続けている。

番組で紹介した本

樹原涼子ピアノ曲集 「こころの小箱」 作曲・ピアノ・歌:樹原涼子 (樹原涼子スタジオ)

ポイント第2066回「人と違うことを恐れない」

私が新たにCDを制作しようと考えていた時、東日本大震災が起こりました。

当初は明るいイメージの曲作りをしようと思っていたのですが、

震災を経験したことでいつも通りの曲作りができませんでした。

「優しさ」「寂しさ」「悲しさ」など、こころの底にある様々な感情を

大切にすくい上げて曲を作りまとめたのが「こころの小箱」というCDです。

この中に「想い出の小箱」という曲があります。

これは舘野泉さんという左手だけでピアノを演奏するピアニストをイメージして書いた曲です。

ピアニストとして世界的に有名だった舘野さんは、

ある時脳溢血になりその後遺症で右手が不自由になりました。

音楽家の息子さんが、そんな舘野さんのために

さりげなくピアノの上に左手だけで演奏できる楽譜を置いたそうです。

それを見た舘野さんは楽譜に挑戦し、左手だけでピアノを弾くようになりました。

現在では左手のピアニストとして復帰し活躍されています。

私が作曲した「想い出の小箱」も舘野さんの目に留まり、弾いていただくことができたのです。

この事から私は新しい考え方を学びました。

ピアノは必ず両手で弾くものだという固定観念があったのですが、

左手だけで弾くと両手では弾けないような表現ができるのです。

通常ピアノは右手でメロディ、左手で伴奏を弾きます。

ところが左手だけで弾く場合、親指でメロディ、小指で伴奏、

そして中の三本の指も様々な役割を果たします。

鍵盤の左から右まで体を激しく動かしながら、

両手で弾く以上のテクニックも要求されます。

「ハンデを武器にする」とまでは言いませんが、

「ハンデを負ったからこそ今までとは違った切り口から行動する」

という考え方もあるのだと学びました。

今の日本ではどうしても

「数が多い方が普通で、数が少ない方は普通じゃない」

という考え方になっていると思います。

子育てにおいても親は子どもたちに「人並みに」とか「皆と同じように」と

言い聞かせ育ててきたのではないでしょうか。

この多数派を気にする子育てが、

子どもたちにとって生きにくい社会を作っている原因なのかもしれません。

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