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2018年2月 4日放送 齋藤孝さん(第2067回)

会場
ツインメッセ静岡(静岡市)
講師
明治大学文学部教授 齋藤孝

講師紹介

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、
同大学院教育学研究科博士課程等を経て現職。
専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。
「声に出して読みたい日本語」ほか、著書多数。

番組で紹介した本

「強くしなやかなこころを育てる!  こども孫子の兵法」 著:齋藤孝(日本図書センター)

ポイント第2067回「子どもと読む古典」

最近は「古典」を知らない人が増えています。

「古典」は皆が知っているから意味を成すもので、

知らなければ会話が通じない事もあります。

代表的な古典の「論語」を例にあげてみると、

「吾十有五而志于学。三十而立。四十而不惑。五十而知天命。」

という文章を知っているから

「不惑は四十だよね。」といった会話が成立するのです。

他にも孔子の言葉に「智仁勇」という言葉があります。

「智のある人は惑わない。仁のある人は憂えない。勇のある人は恐れない。」という意味です。

この言葉は、西郷隆盛も意識して使っていたようで、

彼の原動力の一つとなり明治維新に繋がったと言われています。

2500年前の言葉であっても、その言葉の持つ力が現代にまで繋がっているのです。

私の高校時代、夏休みに論語を読む宿題がありました。

お陰で私の体の中には論語が入っています。

そのため日常会話に論語の言葉が出てしまうことがあります。

これが「教養」であり「古典力」「引用力」というものです。

引用できる力があるという事が古典を身に付けているという事です。

「情報」とはまた違う、日常の中で活かして使う「知恵」の様なものです。

子どもは吸収が早いです。

小さい頃から古典を身につけていると生きていく上で

「あっ、これは孔子も言っていたなぁ。」と引用し、

実感できる子になると思います。

子どもだけでなく親も一緒に古典に触れる習慣をつければ、

家庭内で古典から学ぶ楽しさが増すと思います。

中国古代の兵法、つまり戦略や戦い方を細やかに書いた

「孫子の兵法」というものがあります。

これはナポレオンが参考に読んでいたと言われています。

ビル・ゲイツも愛読していたそうです。

何千年もの時を超えて読み継がれています。

その中に

「彼れを知りて己を知れば、百戦して殆うからず。

彼れを知らずして己を知れば、一勝一負す。

彼れを知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆うし。」

という文があります。

これは

「相手のことも自分のことも知っていれば、

何回戦っても負ける心配はない。

相手のことを知らないで自分のことだけわかっていたら、

勝てる可能性は半分くらい。

相手のことも自分のことも知らなければ、必ず負けてしまうよ。」

という意味です。

現代に置き換えて考えた時も、また子どもだけでなく大人も、

十分その意味から感じるものがあると思います。

親子で古典に触れ、教養豊かな人生を楽しんでください。

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