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過去の放送

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2018年5月20日放送 岸田ひろ実さん(第2082回)

会場
清水高部小学校(静岡市)
講師
日本ユニバーサルマナー協会理事 岸田ひろ実

講師紹介

1968年大阪府生まれ。知的障がいのある長男の出産、
夫の突然死を経験した後、自身も大動脈解離で倒れる。
手術で一命を取り留めるが、後遺症で下半身麻痺となる。
高齢者や障がい者への向き合い方の指導や、講演で活躍。


ポイント第2082回「息子が教えてくれたこと」

私の息子はダウン症です。重度の知的障がいもあります。

23歳を過ぎた今でも自分の言葉でコミュニケーションをとる事は難しいです。

知的レベルも3~4歳くらいです。

息子にダウン症があると宣告されたのは出産して二日目の事でした。

出産直後、何かおかしいなと私は感じていました。

と言うのも、出産すると「おめでとう」と周りから言われるのが当たり前なのに、

息子の時は言われませんでした。

「おぎゃー」と元気に泣いて産まれたのに何でだろうと思っていたのです。

おっぱいもちゃんと飲むし、なぜ息子の誕生を祝福してもらえないのか?

出産の翌日、私は先生に「私の息子、大丈夫ですよね?」と聞きました。

すると先生に「気付かれましたか?まだはっきりと断定できませんが、

おそらく息子さんにはダウン症があると思います。」と言われました。

当時の私にはダウン症についての知識はあまりありませんでした。

でも先生の話を聞くうちにマイナスのイメージしか持つことができず、目の前が真っ暗になってきました。

いっそこのまま息子と一緒に消えてなくなりたい!そんな気持ちにもなりました。

ちゃんと愛せるのか?ちゃんと育てる事ができるのか?不安な気持ちしかありませんでした。

でもそんな不安は息子の成長とともに無くなっていきました。

私の顔を見たらしっかり笑ってくれるようになりました。

ゆっくりゆっくりですが成長してくれました。

初めて歩いたのは3歳を過ぎた頃です。「歩けた!」

もしかしたら歩けないかもしれないと言われていたのでとても嬉しかったです。

障がいをもっていない子どもたちと一緒に過ごさせたいと思い、

保育園、小学校、中学校と全て地域の学校に通わせました。

皆と同じ事ができるようにと、家でいろいろな事を一生懸命教えました。

せめて自分の名前くらいは書けるようにと字を教えました。

一人で買い物に行けるようにとお金の計算も教えました。

でもなかなか身には付きませんでした。

息子が小学校一年生の時の事です。

私は毎日、学校の送り迎えをしていました。その時息子の友達が私に

「ねえ、おばちゃん。きっしー(息子のあだ名)は学校で給食当番も何もやらへんねん。

掃除当番もやらへんし、ブランコの順番も守らへんねんで。」と言ってきました。

私は息子の行動について苦情を言われてるのだと思い謝りました。

ところがその友達の言葉の真意は全然違ったものだったのです。

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