2019年5月 5日放送 アグネス・チャンさん(第2128回)
- 会場
- 清水町地域交流センター(駿東郡)
- 講師
- 歌手・教育学博士 アグネス・チャン
講師紹介
香港生まれ。1972年「ひなげしの花」で日本デビュー。
上智大学、トロント大学を経て米国スタンフォード大学へ。
現在、歌手活動のほか、ユニセフアジア親善大使、
日本対がん協会「ほほえみ大使」などとして活躍。
番組で紹介した本
「スタンフォードママDr.アグネスの 究極の家庭教育メソッド48」 著:アグネス・チャン(扶桑社)第2128回「アグネスの家庭教育メソッド」
親になった時、一番最初に子どもに与えてあげなければいけないものは何だと思いますか?
これは教育者や心理学者の間でよく話されるテーマですが、答えは「高い自己肯定力」です。
人は誰しも良い所、悪い所を持っているけれど、
「ありのままの自分を受け入れて生きていこう」と考えられる力のことです。
「自分は生きていく価値のある人間」「愛される価値のある人間」と自覚でき、
「自分のことを好きになる」「自分のことを大事にできる」能力です。
ありのままの自分を受け入れられないと、なかなか他人を受け入れる事はできません。
例えば、自己肯定力が高い子どもは他の子が何かを上手にやっているのを見た時、
「あなた上手だね!みんな見て、あの人あんなに上手にやっているよ!」と
相手を褒める事に躊躇しません。
子どもなら普通は嫉妬したりしますが、
自分自身をありのままに受け止めているから他人の成功を素直に喜べるのです。
そして、自分を卑下する事もしません。
自分も習得したいと思ったら素直に他人に教えてもらう事もできます。
謙虚で自分の分からない事を素直に聞ける子どもは
様々な事を教えてもらえるチャンスがあります。
また前向きに生きている子どもですから、その姿勢に好意を持たれます。
逆に自己肯定力が高くない子は、他人の成功を見ると面白くありません。
嫉妬心ばかりが先行します。嫉妬心で得する事は何もありません。
時間の無駄です。
では自己肯定力の高い子どもに育てるためにはどうしたらいいのでしょうか?
まずは無条件に愛してあげる事です。
テストで100点を取れば良い子ですか?0点なら悪い子ですか?
そうではないと思います。どんな点数でも良い子は良い子です。
現代の競争社会ではどうしてもテストの点で子どもを判断しがちです。
しかし、お母さんはいつも愛情を注いであげてください。
子どもが悪い行動をとった時だけ叱ればいいのです。
そしてもう一つ、他人と比べない事も大切です。
隣の子は走るのが早いとか、もうこんな字を覚えているとか、比べてばかりです。
慌てる必要はありません。
子どもはそれぞれ学びのペースがあります。
大人になれば大して変わりません。
今日は、私の家庭での教育方法についてお話させていただきたいと思います。