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2019年7月28日放送 バイマーヤンジンさん(第2140回)

会場
羽村市生涯学習センターゆとろぎ(東京都)
講師
チベット声楽家 バイマーヤンジン

講師紹介

チベット・アムド地方出身。
名前はチベット語で「蓮の花にのった音楽の神様」の意味。
中国国立四川音楽大学卒業。
1994年来日後、全国でコンサートや講演を行い、
チベットの学校建設にも力を注いでいる。


ポイント第2140回「思いやりの国、日本」

私にはチベットや中国に住んでいる友達がたくさんいます。

昨年、その友達の一人から突然電話がありました。

「知り合いの息子さんが大阪で働くことになり、少し面倒を見て欲しい。」と言うのです。

私は快く引き受け、早速その息子さんに電話して会う約束をしました。

約束の日、私は待ち合わせ場所で待っていましたが、約束の時間を過ぎても彼は現れません。

道に迷ったのではないかと心配になり、私は電話をかけました。

すると彼は「大丈夫です。スマートフォンで地図を見て行くので心配しないでください。」と答えたのです。

結局、彼が現れたのは約束の時間を30分も過ぎた頃でした。

私は長く日本で暮らしているので「待ち合わせの際、特に初めて会う相手の場合は、

約束の時間より前に着くのが当たり前だ」という感覚が身についていて、

この件は少し腹立たしく感じました。

しかし30代半ばの彼をその場で説教しても仕方がないと自分を落ち着かせ、

その日は一緒に食事をして帰りました。

それから半年ほど経った頃、今度は「奥さんと子どもを連れて会いに来たい。」と電話がありました。

そこで、前回と同じ場所で会うことにしました。

今回も私は少し早めに待ち合わせ場所に着きましたが、またしても彼は時間通りには来ませんでした。

予約時間を大幅に過ぎてしまったためレストランをキャンセルし、

引き続き彼を待っていると、結局45分も遅れて到着したのです。

彼らは何事も無かったかのように、謝る事も無く「会えて嬉しい!」という感じだけでした。

この時も私は「やっぱり何か違うな...。」と感じていました。

それは文化や教育の違いなのだと思います。

私自身もチベットにいたときは、約束に30分遅れても謝ったことは無かったのです。

しかし結婚を機に日本に来て、

「時間を守ることや、お互いに思いやりの心を持つことは美しいことだなぁ。

その点は日本人は本当にすごい。」と感じたのです。

"親しき仲にも礼儀あり"という言葉が好きになりました。

今日は私が日本で経験した事をお話しながら、つい当たり前だと思ってしまいがちな

日本の素晴らしさについて考えたいと思います。

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