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2011年9月17日放送 バイマーヤンジンさん(第1755回)

会場
大須賀中央公民館(掛川市)
講師
チベット声楽家 バイマーヤンジン

講師紹介

チベット・アムド地方出身。
名前はチベット語で「蓮の花にのった音楽の神様」の意味。
中国国立四川音楽大学卒業。
1994年来日後、全国でコンサートや講演を行い、
チベットの学校建設にも力を注いでいる。


ポイント第1755回「ふるさとへの思い」

の生まれたチベットは、ヒマラヤ山脈に囲まれ、海はありません。
日本に来て初めて、和歌山の白浜の海を見たとき、美しさに感動し体が震えました。
その時に、両親をここに連れてこようと決心し、8年後に実現しました。

両親は、見た瞬間に涙を流して喜び、深々と頭を下げ、海に向かって手を合わせました。
そして、「この水には仏様が宿っている」と言って、
海水をチベットに持って帰り、仏壇にお供えしたそうです。

山で生きる人たちは海辺で生活する人たちをうらやましいと感じます。
世界でも、観光地は海辺ですし、山よりも便利で、産物も豊かで、過ごしやすいと思います。
しかし、今回の東日本大震災は、私にも、両親にも大きなショックでした。
「あの海が荒れたのですか?」と、両親は電話口で、私に何度も聞き返しました。

私は、日本の人々の心を表現する歌を探していたところ、「我は海の子」の存在を知りました。
4番の歌詞に「遊びなれたる庭広し」とあります。
海を自分の庭と思う気持ちには、どんな恐怖があっても、
簡単に海を離れることはできないという思いが詰まっていると感じました。(歌披露)

もう一曲は「故郷」です。
私が「ふるさと」の意味を理解したのは日本に来てからです。
遠く離れて初めて、故郷の情景が、はっきりと浮かんで来たのです。
日本にお嫁に来るとき、母は金のピアスの片方を
「お前がどこか痛かったら、私が持っているもう片方のピアスがすぐ感じるからね」と言って私にくれました。
父がくれたのはチベットの土と水でした。
放牧生活で具合が悪くなったとき、父たちは故郷の土を水に溶かして飲み、元気になったといいます。
私はそれを飲むことはありませんでしたが、いくつになっても変わらぬ親の深い愛情を感じました。(歌披露)

日本の歌にはチベットの人々にも共通するものがあります。
私は、これからも日本の歌を勉強し、チベットと日本という2つの故郷のために歌い続けます。

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