2007年11月24日放送 白石康次郎さん（第1561回）
- 会場
- 夢の島マリーナ（東京都江東区）
- 講師
- 海洋冒険家 白石康次郎
講師紹介
１９６７年東京都生まれ。９４年世界最年少（当時）単独無寄港世界一周を達成。２００３年「アラウンド・アローンクラスⅡで４位２００７年単独世界一周ヨットレース「５ＯＣＥＡＮＳ」クラス I に日本人初挑戦、２位でゴール。現在、妻と娘の３人家族。
第1561回「つながりの中で生きる」
僕は今回の「50CEANS」を含めて世界一周を3回経験しました。航海中は、約８ヶ月もたった一人になりますが、船上で孤独を感じたことは一度もありません。いつも気持ちが温かかったです。
船上では環境は一人ですが、世界一周の夢があり、手塩にかけて育てた愛艇と共にいて、さらにライバルや友人、家族も常に一緒にいるような感じでした。孤独というのは一人でいるから感じるのではなく、心が孤独だと感じることだと思います。
僕がこういった冒険に出られるのも、妻が家庭を守ってくれているからだと感謝しています。家庭というのは僕の冒険における軸であり、支えです。妻のおかげで家庭という軸がぶれずにいたから、僕は夢に邁進できました。家庭がしっかりしていないと、希望を持って何かをやるということはできないと強く思います。
今の子どもたちはゲームなどの影響なのか、「バーチャル」の世界を楽しんで「リアル」ということを忘れている気がします。また、情報がたくさん飛び交う中で、純粋に夢を追うことができなくなってきました。子どもたちには是非僕の姿を見て、夢や希望を持って欲しいと思います。僕は勉強ができたわけでもなければ、お金があったわけでもありません。そんな男でも、夢の実現を強く信じ、色々な人々に支えられて世界一周を達成できました。夢をかなえるためには、頭ではなく心で感じることが大切だと思います。
