2008年1月12日放送 山田春木さん(第1567回)
- 会場
- クリエート浜松(浜松市)
- 講師
- 内科医師 山田春木
講師紹介
1953年名古屋市生まれ。東京大学医学部医学科卒業。1984年東京大学第一内科助手1985~87年ロンドン・キングスカレッジ医学校に留学し劇症肝炎の研究に従事。1996年社会保険中央総合病院(東京都)の内科部長に就任し現在に至る。著書に「こわい病気のやさしい話」「つらい病気のやさしい話」がある。
第1567回「かかりつけ医の選び方」
今日は、かかりつけ医をどのような視点で選べばいいのかという話をします。
皆さんの多くは、体に異変を感じると総合病院へ行くと思います。このため、緊急性に関わらず受診のために渋滞が起こってしまいます。これを解消するため、地域の開業医など身近なところでかかりつけ医を見つけましょう、というのが国の視点です。今回は、これとは少し違う皆さん自身の視点で考えてみましょう。
私の患者さんで、脳梗塞を起こして来診された方がいます。その方は、腰痛と心臓の薬を併用していました。これに、脳梗塞の薬も加わったので、どのように服用したらいいかわからないというのです。
かかりつけ医がいれば、こうした悩みを持った時に、すぐに対処できます。年齢を重ねれば、体の様々な箇所に異変を来たす場合も少なくありませんし、いつ何が起こるかわかりません。かかりつけ医は、患者の情報全般を把握していますから、総合的に判断し対応してくれると思います。
このかかりつけ医の選び方は、配偶者選びと似ているのではないかと思います。かかりつけ医と患者は、一方的な関係では意味がありません。名前を言えばすぐに顔が浮かび、心の通い合った人間同士の関係を築けなければなりません。そして、最も重要なことは、緊急の時にいつでも対応してくれるということです。皆さんも「この医者は、私のかかりつけ医になりうるかどうか」という視点で、医者を吟味してみてはいかがでしょうか。