2008年3月 8日放送 堀田力さん(第1575回)
- 会場
- 浜松市立上島小学校(浜松市
- 講師
- さわやか福祉財団 堀田力
講師紹介
1934年京都府生まれ。
京都大学法学部卒業。
大阪地検特捜部、在米日本国大使館書記官を経て、
東京地検特捜部検事としてロッキード事件を担当。
1991年に57歳で退職後、弁護士・福祉の道へ。
第1575回「遊びの中に学びがある」
現代社会の大きな問題の一つに、少子化があります。これには良いところもたくさんありますが、問題だと思うこともあります。
私は5人兄妹で育ちましたが、食事やおやつの時間などは大騒ぎでした。例えばスイカが5切出てきたとき、私が一番大きいものを食べるために、兄を説得したり弟や妹をなだめたり抑えつける、といったことをしていました。これは、今になって考えてみると、日常生活の中で知恵と交渉力を使い「生きる力」「人間力」を自然と身に付けていたのではないかと思います。
では、少子化の現代で、子ども達に「人間力」を付けるためにはどうしたらよいのでしょう。競争社会の中、親は子どもの学力ばかりを気にして、子どもを遊ばせることを怠っていると思います。遊びながらいろいろな子どもとふれあうことは社会との接点となり、その中から多くのことを学びます。兄弟姉妹に変わる「遊べる環境」を大人が用意してあげなければいけません。
私は、文部科学省の委員会でこのようなことを強く訴えてきました。その結果、放課後に学校を開放し、歳の離れた子ども達や、地域のみなさんが集まれるようになってきました。ここで大切なことは、子ども達が楽しく遊べる「しかけ」を大人が作ってあげることです。近頃の子ども達は、遊ぶ=テレビゲームになりがちなので、人と関わりを持って遊べる環境を整えてあげなければいけません。遊ぶことは、子どもが自ら育っていこうとするサインであることを忘れないで下さい。