2008年5月 3日放送 和田重良さん(第1583回)
- 会場
- 城南静岡高等学校(静岡市)
- 講師
- くだかけ生活舎主宰 和田重良
講師紹介
1948年小田原市生まれ。東京教育大学卒。NPO法人くだかけ会代表として、くだかけ生活舎(神奈川県山北町)にて、青少年とともに共同生活を送っている。大人も子どもも共に育つことを願いとし"自信"よりも"安心"に重点をおく「くだかけ」の活動を続けて、青少年の良き相談相手になっている。
番組で紹介した本
「子ども版人生タネの本」著:茂吉(和田重良) くだかけ会 1,050円(税込)
第1583回「自分に出会って大人になる」
私は「14歳」ということをテーマに家庭教育に関わる活動をしています。この時期の一大テーマは「大人になる」ということです。しかし、体はもちろん、精神的にも急激に変化するこの時期に、日本の子ども達は「受験」に全力を注いでいるのが現状です。
そんな子どもたちに見られる特徴は、「遊べない・学べない・働けない」です。これらは大人になるために必要な要素ですが、幼児期に十分に遊んでいないため、その中から学ぶ機会も少ないですし、自ら働こうという意欲も備わりません。
学校を卒業し、社会人になれば社会的に見たら大人になったと言えるでしょう。しかし、人間として大人になるためには、もっと大切なことを「14歳」頃の思春期に知るべきだと思います。
例えば、感情のコントロールができるということです。私の主宰する生活舎に、何でもすぐに「嫌い」で片付けてしまう子どもがいます。しかし、嫌いでは発展するものがありません。大人になるには、何事もまず知る、そのために自分の感情だけですべてを決め付けないようにならなければいけません。
もう一つ、私がよく言うことがあります。「グーを開けばパーになる」ということです。自分の考えだけに偏らず広い視野で色々な物事を見られるようになろうということです。いずれにしても、「14歳」という成長の時期にこのようなことを知ることが、その子の財産になるのではないでしょうか。