2008年5月24日放送 小崎恭弘さん(第1586回)
- 会場
- 原子力広報研修センター(御前崎市)
- 講師
- 神戸常盤大学准教授 小崎恭弘
講師紹介
1968年兵庫県生まれ。聖和大学教育学部幼児教育学科卒業後、西宮市役所初の男性保育士として、12年間施設・保育所に勤務。その間に育児休暇を3回取得する。その経験を生かし、現在は男性の育児・男女共同参画社会・ワークライフバランスなどをキーワードに活動をおこなうほか、神戸常盤大学などで教鞭をふるう。
第1586回「育休パパの子育て」
私には3人の息子がいますが、彼らが生まれたその都度、育児休業を取得しました。取得しようと思ったのは、我が子が本当にかわいく一緒にいたいと思ったからです。
長男の時を例に話しますと、3月17日に長男が誕生し、その前後2ヶ月は妻が産前産後休暇を取得しました。妻はその後仕事に復帰し、私は翌年1月1日から長男が1歳になる前日の3月16日までの2ヶ月半、育児休業を取得しました。大学で幼児教育の勉強もしていたので大丈夫だろうと思っていましたが、妻は大変心配な様子で、育児に関する細かなことをメモに残していきました。
実際に一人で育児をするとなると、予想以上に大変でした。泣いた子どもを寝かしたり食事の支度をしたりと、目の前のことで精一杯になってしまうのです。母や近所の方は「いつでも助けてあげるよ」と言ってくれるのですが、育児中は予想外の事態が起こるので、助けを呼ぶ暇もないという感じです。また、一日中育児をしているので、誰とも話さない日があり、社会から孤立しているなと感じることもありました。
女性は妊娠・出産を通して、徐々に母親の自覚が芽生えていくのだと思いますが、男性はある日突然子どもが産まれてお父さんになるので、なかなか父親のスイッチが入りにくいと思います。だから、結婚や出産、育児に男性がより積極的に関わっていくことで、母親や子どもはもちろん、男性自身も幸せになると思います。子育てを通して、仕事や会社では味わえないすばらしい価値観を得られるはずです。