2008年11月22日放送 藤原和博さん(第1611回)
- 会場
- 富士市立大淵中学校(富士市)
- 講師
- 教育改革実践家 藤原和博
講師紹介
1955年生まれ。
1978年東京大学経済学部卒業後、リクルート入社。
2003年より5年間、東京都内では義務教育初の
民間人として、和田中学校校長に。
著書「坂の上の坂」は12万部を超えるベストセラー。
第1611回「親子で学ぶ「よのなか」」
お子さんのコミュニケーション能力に悩みを抱えている親御さんは少なくないと思います。今日はその原因と対処法をお話します。
コミュニケーション能力の低下を生み出す原因の一つとして、現代社会が「チョー便利社会」であるということです。例えばコンビニに行って誰とも話すことなく欲しいものが買えますし、子ども達を黙らせてしまう環境が自然と作られています。
次にテレビと携帯電話の影響も大きく、友人とのつながりを携帯電話にだけ求めるという子も少なくありません。
最後に学校教育における「正解主義」という価値観です。全てにおいて正解は一つしかないと思い込んでしまうと、社会に出て自分の思うようにいかないことがあるとすぐに諦めてしまうようになります。
これらの原因に対処していく方法として私が和田中時代に生み出した「よのなか科」という授業があります。これは「赤ちゃんポスト問題」など正解が一つではないことを取り出して大人と子どもが一緒に議論するのですが、このようなことは家庭の中にも多くの材料があります。例えば新聞一つでも、「なぜ新聞は新書と同じ文字量でも安いのか」「新聞に載っている広告にはどんなものがあり、そこから見える時代背景」など多くの題材があります。
このように、日頃から身近な事柄を使って子ども達と積極的に話をして欲しいと思います。そして子ども達の頭を揉みほぐしてあげてください。