2009年2月28日放送 住田裕子さん(第1624回)
- 会場
- グランシップ(静岡市)
- 講師
- 弁護士 住田裕子
講師紹介
兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、検事に。
1988年、女性初の法務大臣秘書官となる。
1996年、弁護士に転身。テレビ番組などでも活躍。
NPO法人長寿安心会の代表も務める。
第1624回「“法律の母”の子育て奮闘記」
今日は私の子育て術、仕事と家庭をどうやって両立させてきたか、お話します。
私が子どもだった頃は、女性が学問をしたり社会に出て仕事をすることには、みんな良い顔をしませんでした。女性は家庭に入るのが当たり前で、実際、私の母も高等女学校を卒業してすぐにお見合いをし、商売をしていた父のところに嫁いだのです。母は家庭の仕事、お店の仕事を一生懸命やっていましたが、社会の中では認めてもらえませんでした。
そんな母の姿を見て「結婚した相手に頼るのではなく、自分で自分の生き方を決めたい」と思い、司法試験を目指しました。3回目の司法試験でようやく合格し、検事になったのです。
検事任官後、同僚の検事と結婚し、子どもも2人もうけました。
時には義母の手を借りたり、手抜きをすることもありましたが、でも仕事はそのまま続けました。
子どもにどんなことを期待したのかというと、一つは非行に走らないことです。
検事は警察と一緒に仕事をすることも多いので、自分の子どもが警察のお世話になるというのは問題だと思ったからです。
二つめには、社会の中で自分のやりたいことを見つけることです。
これは親が敷いたレールではなく、子ども自身で見つけてほしいと思いました。
ちなみに子どもたちは、法律の世界ではなく全く別の道に進み、今はとてもいきいきとしています。
そして最も大事なことは、愛情の質です。
いかにお父さん、お母さんが子どもを大事に思っているか、なんです。仕事をしている方も後ろめたさを感じないで、自信を持って仕事に取り組み、子どもにも触れて欲しいと思います。