2009年5月 9日放送 井村雅代さん(第1634回)
- 会場
- 沼津市民文化センター
- 講師
- 井村シンクロクラブ代表 井村雅代
講師紹介
1950年大阪府生まれ。
天理大学卒業後中学校の保健体育教諭を勤める。
78年シンクロ日本代表コーチに。
ロスからアテネまで、五輪6大会連続メダル獲得。
北京大会では中国チーム監督として銅メダルを獲得。
第1634回「子どもを支える親の役割」
私は1985年にシンクロクラブを設立しました。今日は選手の保護者との関係がいかに大切かをお話ししたいと思います。
クラブが成功するか、失敗するかは親次第です。親の協力がなければクラブは成立しません。クラブでは年1回、保護者会を開いていますが、必ずお願いする事があります。それは選手達の健康管理、特に食生活です。びっくりすると思いますが、選手を3時間教えれば、そのお宅の食卓がわかります。最初の1時間2時間、選手達はみんな元気ですが、3時間になると体力、集中力に差が出てくるのです。つまり、栄養のあるバランスのとれた食事をしているかどうかなのです。優れた選手は優れた食生活がつくるのです。
シンクロ選手の親にとってもう1つ大事な仕事があります。それはあの美しいシンクロの衣装を作ることです。キラキラしたスパンコールを水着に付けるのは選手の家族が担当しているのです。選手にとって水着は戦う勝負服ですので、家族は心を込めて作っているのです。もし皆さんがシンクロの水着を手にとる機会がありましたら、是非裏返して見てください。皆さん感動すると思います。水着にひとつずつスパンコールを付けますが、その裏には結び目が無いのです。なぜかというと、結び目があるとチクチクしたり、痒くなったりして、演技に集中出来ません。そこで親はスパンコールと水着の布の間に結び目を隠すのです。選手達はその水着に守られて戦うのです。