テレしず ホーム > テレビ寺子屋 > 家族を見つめ直す

テレビ寺子屋毎週日曜日 午前6時30分~

トップへ戻る

公開録画会場 随時募集中!

全国の放送予定はこちら

  • お知らせ
  • 寺子屋の歩み
  • 次回の寺子屋
  • 講師紹介
  • 過去の放送
  • 会場募集
  • ご意見・ご感想

過去の放送

過去の放送

2010年4月10日放送 長倉洋海さん(第1682回)

会場
浜松市立上島小学校
講師
フォト・ジャーナリスト 長倉洋海

講師紹介

1952年北海道生まれ。
通信社勤務を経てフリーの写真家となる。
以降、世界の紛争地を精力的に取材。
2011年9月から12月にかけ、福島、岩手、宮城で取材、撮影した
「だけど、くじけない―子どもたちからの元気便」(NHK出版)を出版。


ポイント第1682回「家族を見つめ直す」

世界各地で写真を撮り続けて30年になります。
私は、その地で生きている人達の生の声を聞いてから
シャッターを押すことを心がけています。

子どもを撮影していると、家族に出会います。
子ども達が家に招待してくれるのです。
中でもコソボで会った家族は印象に残っています。
皆さんの記憶にあると思いますが、1999年、大規模な民族紛争が起こり、
約200万人の人達が家を失ったと言われています。
私が初めてコソボを訪れた時は紛争も落ち着き、
国外に逃れていた人達が戻ってきたころです。
しかし、多くの地雷が残っており、安心できる状態ではありませんでした。
その地雷があるかもしれない所で、子どもを中心に、
破壊された家の後片付けをしている家族に出会いました。
その家族10人は親戚の家に身を寄せていました。
私は子どもと仲良くなり、写真を撮らせてもらいました。

4年後、その家族の写真集を持って、会いに行きました。
彼らは家を再建している最中でした。
紛争でご主人が仕事をなくし、経済的に苦しく、家造りは進んでいなかったのですが、
NGOが家の資材を提供してくれたのです。
家族10人にしては、二間の小さな家でしたが、一家は楽しくのんびりと家を造っていました。
ご主人の性格なのか、すぐに休憩をし、
私の持参したサッカーボールで子ども達と遊んでしまうのです。
親戚は心配していましたが、私はこの家族が大好きになりました。
心が温まり、ほっとするのです。

家族というのは、血の繋がりや一緒に住んでいることだけでなく、
悲しいことやうれしいことを一緒に体験することが、本当の家族なのではないでしょうか。

ページの先頭へ

ページの先頭へ