2014年11月 8日放送 にしゃんたさん(第1912回)
会場 | 泉小学校(浜松市) |
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講師 | 羽衣国際大学教授・タレント にしゃんた |
講師紹介 | 1969年スリランカの世界遺産・キャンディ市生まれ。 |
会場 | 泉小学校(浜松市) |
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講師 | 羽衣国際大学教授・タレント にしゃんた |
講師紹介 | 1969年スリランカの世界遺産・キャンディ市生まれ。 |
共笑と言う言葉は見たことがないかもしれませんが、
私が大好きな言葉です。
私たちの周りにはいろいろな人がいて、
1人ずつ指紋も違うし、顔も違います。
違う者同士が笑い合うことが大事ですが、
今の世の中、そういう場面が少ないと思います。
皆が笑うことの前に壁が3つあります。
ひとつは心の壁、2つ目は制度の壁、3つ目は言葉の壁です。
こうした壁を何とかしようとチャレンジするその都度、
私たちは強く、優しく、しなやかに、美しく、豊かになれます。
心の部分とは何か?
それは思い込み、偏見、決めつけ、過信、そして無関心です。
つまり、心のスィッチを切っているということです。
私たちは思い込みのかたまりです。
私は夏になると大変。
暑いなんて言うと
「何でお前が暑いんだ。その顔で」と言われます。
スリランカ人も思い込みが激しい時があります。
私が小学生の時、「日本からの手紙」と言う1章が
教科書に載っていました。
お父さんの仕事の関係で日本に一緒に来た娘が、
スリランカの友人あてに書いたものです。
そこには空港に着いた時のことが書いてあり、
『日本人は忙しそうにしている。なぜなら日本は地震国だから』
それから『日本人は心配そうな顔をしている。
なぜなら火山国だから』と。
それを見た私は、日本は大変な国だと思ったものです。
スリランカで有名な日本のものと言えば、
テレビドラマの「おしん」と「さくら」というビスケットです。
その包みに描かれていた桜の絵は
どう見てもチューリップでした。
桜を見たことがない人が描いたのでしょう。
思い込みはどこにでもあります。
私は国際結婚ですが、最初は妻の両親に反対されました。
反対の理由は3つあり、
1つ目は墓の問題、2つ目は国籍、3つ目が孫の問題でした。
生まれてくる子の肌が黒いといじめにあうので、可哀想だというのです。
でも生まれた子は白かったのです。
昔はハーフと言っていましたが今はダブルと言います。
割算でなく掛け算です。
私は生粋のスリランカ人でダブルにはなれませんが、
生き様としてのダブルにはなれます。
同質のものが混ざっても量的な膨張だけですが、
違うものが混ざると進化やイノベーションが起こります。