◆今江祥智さん◆
>>今江祥智さんについて
会場/ぱ・る・るプラザYAMAGUCHI (山口県山口市)
講師/児童文学作家・今江祥智
第1207回 「絵本〜読んで・聞かせて」

 哲学者・鶴見俊輔さんのお宅を訪ねたときのことです。

 4歳の息子の太郎ちゃんが、私の顔をジロッと見て、
「お父さん、絵本を読んでください」と言うのです。

 父親との大事な時間を私にとられると思ったのでしょう。

鶴見さんが「いいよ。何がいいかね?」と言うと次郎ちゃんはとても長い本を持ってきました。
読むのに16分近くかかりました。

読み終わると「お父さん、ありがとう」とニッと笑い、「もう一つ読んでください」と言うのです。
鶴見さんは「何がいいかね?」と子どもに尋ねます。 するとその16分のものを答え、またゆっくりとその本を読まれるんです。「おしまい」と言うとまた同じことを子どもが言うんです。

  結局9回繰り返し、2時間近くかかってしまいました。

 驚いて鶴見さんに「いつもあんなふうにお読みですか?」と尋ねると、「大人が子どもに頼まれたらちゃんとやるのが当たり前だろう」と答えられました。 その本は少なくとも300回は読んでいるのだそうです。
  太郎ちゃんはそのお話はすっかり覚えているそうです。それでも読んでほしいのが子どもなんですね。

◆テレビ静岡テレビ静岡12月9日放送◆