◆坂本光男さん◆
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会場/島田市立島田第5小学校
講師/教育評論家・坂本光男
第1210回「“いのち”をどう教えるか」

 岩手県の中学校でのお話です。

向井くんという心臓の悪い男の子がいました。
合唱の指揮のとても上手な子でした。


 6月に手術をすることになり、「合唱祭までには元気に帰ってくるからしっかり練習しておいてよ」と言って入院したのですが、手術の結果が思わしくなく、亡くなってしまいました。
  放課後、生徒たちは1時間半にわたって話し合いました。

誰が指揮をやるのか。

向井くんと一番仲が良かった男の子が「オレにやらせてくれ」と言います。

何の曲がいいか。

「友よ、北の空へ」を選びます。

友だちは北の空へ去ったけれど友情は大切にして生きていこう、という歌です。
 朝、昼、帰り、生徒たちは一生懸命練習をしました。
「なぜそんなに一生懸命にやるんだ?」と先生が聞くと「向井のために頑張りたい、向井の明朝いのち生命を大事にして俺たちもその気持ちで頑張る」と。


 いよいよ本番です。
先生が子どもたちのところへ行くと、女子生徒たちが泣いているのです。
なんだろう?と思うと、男の子の一人が向井くんの写真をかかえているのです。
 あんなに練習したのにここで泣いたら困る、と先生が一言言おうとすると、
指揮者が「今日は泣く場合じゃないだろう、歌おう」と声をかけたのです。

このあと、合唱祭は、そしてこのクラスはどうなっていったのか、お話します。

◆テレビ静岡1月6日放送◆