◆名取弘文さん◆
>>名取弘文さんについて
会場/静岡市立安西小学校
講師/藤沢市立鵠沼小学校教諭 名取弘文
第1217回 「物語〜こんな遊びもあるよ」

 授業で百物語をやることになり、「ゆきおんな」をやってみたときのことをお話します。

お話はみなさん知っていますか?

あるとき、老人と若者の二人きこりが木を切りに行くと、吹雪いて帰ることができません。そこで山小屋に泊まることにしました。


若いミノキチが目を覚ますと雪女がふーっと冷たい息をかけて老人を殺してしまいました。
続いてミノキチの方にやってくると、女は「おまえはかわいいね。助けてあげよう。しかし、このことは誰にも言ってはいけないよ」と助けて くれました。
その後出会った女性と結婚したミノキチは10人の子どもに恵まれ、幸せに暮らしていました。
ある夕方、つい言ってしまうのです。
あの晩の出来事を。実は雪女は嫁のおゆきだったのです。
「子どもたちがいるから今は殺さないが、無事に育て上げなかったら命を奪いにくるよ」
と言っておゆきは消えてしまった、というお話です。

私は子どもの頃にこのお話を読んで、怖い話だな、と思って子どもたちに聞いてみると、「怖いけどそれだけじゃないよ、これはとっても悲しいお話だ」というんです。
人間と一緒に暮らせないかわいそうな雪女の話だ、と。

別のクラスで話すと、今度は「その女の人は悪い人だね」という感想がかえってきました。
自分は雪女だとわかっているんだからミノキチが話し始めたら止めるべきだ、というんです。

雪女がその後どうなったかについても子どもたちと話しました。

 国語の授業などでどうしても一つの方向に導きがちですが、子どもたちはいろんな読み方をできるんですよね。

(番組で紹介した本)
「雪女」 作・小泉八雲  訳・平井呈一 絵・伊勢英子  (偕成社 1600円+税)
「ゆきおんな」 作・川村たかし 絵・宇野亜喜良 (教育画劇 1,200円+税)
「完訳クラシック グリム童話3」  訳・池田香代子 (講談社 1600円+税)

◆テレビ静岡2月24日放送◆