◆松居 和さん◆
>>松居 和さんについて
会場/佐鳴台幼稚園(浜松市)
講師/音楽プロデューサー  松居 和
第1267回 「“親身”」

私は上の子どもが6歳になるまでアメリカで育てました。

幼稚園では必ず、「子どもの指紋を登録しておきますか?」という書類がまわってきます。
誘拐されて何年かたって見つかったときに確認するための指紋登録です。

1年間にアメリカで誘拐される子どもは10万人。

多くは離婚して養育権を失った親によるものです。

深夜のテレビでは、不特定多数の誘拐犯に対するコマーシャルが流れます。
「もしもあなたが子どもを誘拐してしまったら、ここに電話してください。相談にのります。」と。
家庭崩壊がそこまですすむのは、親たちが自分の子どもと過ごす時間が極端に少なくなってきている、ということです。
子どもと過ごして「親心」が生まれてくるわけです。

幼児がいるから「親」の「身」、「親身」という言葉ができてくるのです。

私の娘は機械体操を習っていました。
2週間ほど逆上がりをずっと練習していました。
ある日、ふっとできるようになったのです。
その瞬間、娘は私の方を向きました。
きっと逆上がりができたことよりも、その瞬間を私が見ていたことのほうがうれしかったんだろうなと思っています。

私も娘がうれしいと思った、という記憶が残る。

そういう瞬間を積み重ねていくことが子育てなのではないのでしょうか?

(講師紹介) 1954年東京生まれ。慶應義塾大学に進学後、米国・カリフォルニア州立大学に編入、卒業。アメリカにて音楽プロデューサー・尺八奏者として活躍。「ウィロー」「太陽の帝国」「マスク・オブ・ゾロ」など多数の映画に参加。現在主にプロデュースを手がけている妻・慶子さんはアメリカを中心に大人気のジャズピアニスト。
◆テレビ静岡2月16日放送