◆樋口恵子さん◆
>>樋口恵子さんについて
会場/沼津市文化センター
講師/東京家政大学教授 樋口恵子
第1270回「主婦の再就職」

  女性の労働力率のグラフをみると、学校を卒業して職場に出、30歳近くで妊娠・出産などで退職し、40歳代で再び復帰する、M字型を描いています。

これは女性労働としては当たり前とされてきました。
でも、他の先進諸国をみるとMにへこんではいません。
このM字型は日本特有の現象なのです。

しかし、労働希望をくわえると、日本のグラフも諸外国と同じような線を描いています。
条件が許せば働きたいと思っているのです。
条件は千差万別です。

育児休業があっても退職を勧告する会社が少なくありません。
しかし、もっと大きな障害は以外に身近にあるのではないでしょうか。

「なんの不自由があるの?働いてもいいけど、家族に影響を与えないように」というご主人、お姑さんが多いのではないでしょうか。

経済的には不自由はないのでしょうが、精神的にはどうでしょう?

戦前の農村の女性たちは、地位は低かったでしょうし、嫁の立場で辛いこともあったと思いますが、田畑で一緒に働くことで人々との交流があったという意味では、現在の密室の中で孤独に子育てをするより社会に開かれていたと思うのです。

子どもを持ったから社会が狭くなるのではなくて、子どもを持ったから社会が広がるようでなければ面白くないですよね。

M字型のグラフをよく調べてみると、M字型を作っているのは短大・高卒の女性たち。

四年生の大学を卒業した女性たちの就労実態をみると、妊娠・出産で数値が落ちて、そのまま上がってこないのです。

これでは大学は「知的花嫁養成校」。

地域ボランティアができるという意見もありますが、私立大学にも多額の税金が投入されていることを思うとこれでいいのだろうか?と思うのです。

◆テレビ静岡3月9日放送◆