テレビ寺子屋

◆斎藤 孝さん◆
>>斎藤 孝さんについて

会場/静岡市立安東小学校

講師/明治大学文学部助教授 齋藤 孝

第1320回「子どもの日本語力を高める」

私は、子どもが二人いるんですが、最近、子どもの言っていることを聞いていて、一体何を言っているのか分からないということが結構あるんです。主語と述部が合っていない、文章がねじれているし、単語が多いんです。そして流行り言葉のように「っていうか何とかだっていうか…」なんて、何を言っているのかさっぱり分からない。

あるテレビ局の人が渋谷に若者のインタビューを撮りに行ったときの話を聞いた事があります。その時は、近頃の若者もよくしゃべってくれていいなと思ったそうなんです。ところがテレビ局に帰って編集しようと撮ってきたものを見てみたところ、使える部分がないということだったんです。要するに、若者たちの言っている事に意味がないんです。しゃべってる勢いはあって、感情的には何となく伝わるものがあるんだけれど、しゃべっている言葉を具体的に文字にしてみると文章になっていないということだったんです。

日本人の間だと「えー、じゃあまぁ、そういうことで、以上こんな感じで」と言っても大体通じるんです。でもこれを同時通訳の人が外国語に訳すと全く意味がないんですね。国際的には全く評価されなくなってしまう。

この事態をどうするかということで、日本語力を高める方法を話したいと思います。ほとんどの仕事は言語・日本語ができればできるものだと思います。日本語でちゃんと考える事ができないのに、他の言語の人と通じるということは難しいですね。その日本語力を高めるために一番本質的で有効なものがあります。
(テレビ静岡3月1日放送)

★講師紹介
1960年静岡市生まれ。静岡県立静岡高校、東京大学法学部卒。同大学院教育学研究科博士課程を経て現職。教職課程で中、高教員を養成。現在、文化庁文化審議会国語分科会委員。著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社)『三色ボールペンで読む日本語』(角川書店)他多数。

★番組で紹介した本
『子どもの日本語力をきたえる』 齋藤孝 著 (文藝春秋 900円)
『理想の国語教科書』 齋藤孝 著 (文藝春秋 1,238円)
『3色ボールペンで読みたい日本語』 齋藤孝 著 (角川書店 1,500円)

テレビ静岡3月1日放送