テレビ寺子屋

鎌田 實さん◆
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会場/常葉学園

講師/内科医師 鎌田 實

第1350回『「がんばらない」けど「あきらめない」』

「がんばらない」(集英社)という不思議な題名の本を書きました。たくさんの人に読んで頂いてドラマにもしていただきました。

「がんばらない」という事が私たち日本人にとってはとても異質な感じがしたんだと思います。

僕がまだ青年医師だった頃、40代のガンの末期の患者さんの診察をした時の事です。
大学の先生からも先輩の医師からも患者さんを激励しろと言われていたので、
いつものように診察を終えた後、当たり前のように「がんばりましょうね」と言って病室を出ようとしたら患者さんの気配がおかしい。

振り返ると患者さんが、ぽろぽろと涙を流していました。
僕は、患者さんのそばに引き返したんですが、何がいけなかったのか自分では分からなかったんですね。そうしたら患者さんの方から、「先生、私今までがんばって、がんばってきました。これ以上がんばれません。」と言われたんです。
その時まで僕は、「がんばれ」という言葉はとてもいい言葉だと思っていたんですが、時には人を傷つける事があるということに初めて気づきました。
それがずっと心の中に残っていたので本にこの題名をつけました。

でも、「がんばらない」というのは、決して怠けていていいという事ではないんです。
あるがままに生きるという事だと僕は思っています。
やはり、たった一回の人生を丁寧に生きる時にこそ人生の楽しみやおもしろみが出てくると思います。人生を丁寧に生きるというのはどういうことなのか僕の話を聞いて下さい。

◆テレビ静岡 9月27日放送◆