テレビ寺子屋

柳 宗民さん
>>柳 宗民さんについて

会場/浜名湖花博会場

講師/園芸家 柳 宗民

第1389回「日本のガーデニング」

日本というのは園芸に関しては先進国です。
それは、農耕民族だったからなんです。
長年、植物と付き合ってきて育て方を知っています。

一方、ヨーロッパは元来が狩猟民族で、それが農耕をやり出してから園芸が盛んになりました。
さらに、日本の自然風土は世界で最も四季がはっきりしていますよね。
夏暑い、冬寒い、雨が多い…非常に植物が育ちやすいから、猛烈に種類も多く、
緑なす国となったんです。
たしかに最近は開発も進んでいますが、それでもやっぱりヨーロッパなどより緑が多いです。

日本人の生活文化というのは、四季の文化です。
衣食住、すべて四季にのっとって発達しているので、古い時代から常に花を愛でる心を持っていました。「万葉集」を調べてみると植物の名前がたくさん出てきます。ある学者の方によると百六十六種類も出てくるそうです。
さらに驚くべきことは、万葉集の中に一首、全句これ植物の名前だけで詠んだ歌まであるんです。

今、日本では園芸ブームだ、カーデニングだといってますが、
第一次園芸ブームというのは江戸時代中期以降なんですよ。
徳川三代は、無類の花好きでたくさんの花の品種改良をしました。
その上、日本の園芸というのは、他の国とは大きく違っている点があるんですよ。
ヨーロッパの園芸は、今世紀になるまで一般庶民にはほとんど関係ありませんでした。
王侯貴族たちが中心となって発展したんです。
ところが、日本の園芸というのはまったく違います。
殿様から、長屋の八つぁんや熊さんまでみんな夢中になってやったわけです。
だから、江戸後期には、植木屋さんの村があったほどです。

講師紹介
昭和2年京都市生まれ。栃木県農業試験場助手、東京農業大学研究所研究員を経て独立。柳育種花園を経営するかたわら、社団法人園芸文化協会評議員、英国王立園芸協会日本支部理事を始め、大学講師としての活動も多い。主な著書に、「園芸は愉しい」(大和書房)、「柳宗民の雑草ノオト」(毎日新聞社)など多数。

◆テレビ静岡7月3日放送◆