私は最初、アルバイトでこの雑誌に関わりました。
読者の投稿作品を選ぶ作業をしていました。そのうちに、初代編集長が他の本を作るためにビックリハウスの2代目編集長を探しはじめたのです。少人数で作っていた雑誌でしたから、人がいなくて私が突然編集長になってしまったんです。
その時私は23歳くらいでした。
23歳の女の子で編集長になることは当時では異例で、随分と叩かれました。
なりたくない編集長になって、なぜ文句を言われなければならないのかと初代編集長に言うと、
「誰もあんたになんか期待してないよ」と鼻で笑われてしまいました。
これは目からうろこでした。
私は自分が編集長になったときに、批判を受けちゃいけないとか、ほめられたいとか、
部数を伸ばしたいとか、そんなことに惑わされて、自意識過剰だったんだと思いました。
私がやれるものだったらいいじゃないか。
これ以上でもなければ、これ以下でもない、私というものを作ればいいじゃないかと考えたのです。
そして代打がいない「私」という編集長になろうと思いました。
あの時気が付いてよかったですよ。見栄を張って生きていると、見えるものも見えなく、
味わえるものも味わえなくなってしまいますからね。
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