テレビ寺子屋

枡野 浩一さん
>>枡野 浩一さんについて

会場/相良町町民センター

講師/歌人 枡野 浩一

第1423回「遠くから見たり 近くから見たりしよう」

川柳は五七五。五七五で季語が入っているものが俳句。
そして短歌は五七五七七。知っているようで意外と知られていない短歌の世界。言葉が難しく、敷居が高いと思われがちです。

例えば石川啄木の歌にこんなものがあります。

たはむれに母を背負ひてそのあまり

輕きに泣きて

三歩あゆまず

お母さんを背負ってみたところ、年老いておいて予想以上に軽く、かえってショックで3歩歩けなかった。という意味を表します。原文のままだと表現が難しく、読む側もかしこまってしまいますよね。ところがこれを私が現代語に直すと次のようになります。

冗談でママをおんぶしあまりにも

軽くてショック

三歩でやめた

伝わりましたか?当時の人たちはこのくらいのニュアンスで石川啄木の短歌を受け止めていたはずなんです。私はこんな風に普段使っている言葉で短歌を作っています。
五七五七七の短歌のリズム。意外と世の中に存在します。無意識に使っている代表的な例が「君が代」です。あのメロディは五七五七七(字余り)ですから、全ての短歌は君が代のメロディで歌うことができるんですよ。他にも、雑誌や新聞の見出しも五七五七七になっていたりするんです。
あまり興味を持たれない短歌の世界。今日を機会に「短歌って面白いな」と思ってもらえるよう、短歌で気持ちを伝えるコツをお教えしましょう。

☆講師紹介
昭和43年、東京都生まれ。
平成7年、角川短歌賞に応募した短歌が「最高得票落選」として話題となる。
その後、デビュー短歌集「てのりくじら」がヒット。短歌指導にも定評があり、数多くの番組・カルチャー講座で講師を務める。現在は短歌のみならず、作詞、漫画評論、小説など、幅広く執筆活動をしている。

主な著書に「漫画嫌い」(二見書房)「君の鳥は歌を歌える」(角川文庫)
「日本ゴロン」(毎日新聞社)などがある。

◆テレビ静岡3月5日放送◆