そのとき同じ部屋の別の患者さんを診ていた若い看護士にその言葉が聞こえたんです。
プロとして元気付けてあげたいと思ったにもかかわらず、いい言葉が見つかりません。
先輩看護士に相談した結果、ベットのまま車に乗せて桜見物に行くことにしました。
その桜見物から戻ってきた患者さんはこう言いました。
「僕は花見がしたかったわけでも、桜が見たかったわけでもない。
でもすごく嬉しかったよ。
あの僕の言葉は、僕自身に言い聞かせたものなんだ。
だから看護士さんは僕の言葉を聞き流したって構わなかった。
なのに僕の言葉をちゃんと受け止めてくれて考えてくれたことが嬉しい。」
そうなんです。自分の言葉を聴いてもらえるということはとても大切です。
それだけで大きな力になります。
そのためには患者さんが話しやすい空気というのが必要ですよね。
病院で診察を受ける時、「本当は他にも話したいことがあるのに…もっと質問したいんだけど…」
そう思っている方、意外と多いんじゃないでしょうか。
よく説明してくれる医者が良い医者だと、私たちはついつい思いがちです。
もちろんこれもすごく大事なことなんですけど、それ以上に話しやすい空気を持っている
「聞き上手なお医者さん」だということも重要なのです。
|