| よく見ると、教えている学生の一人でした。「近くまで来たから、来ちゃった。」そう言ってやってきた彼女は、私に対して敬語を使いません。
彼女は、よく授業中に私語をします。しかも、私に向かって。
うまい具合に話かけてくるので、ついうっかり話に乗ってしまうこともありますが、
気付いて叱るのですけど、近頃の学生は、あまりそういう意識をしないようです。
ひょんなことで、その彼女が私の事務所と同じ建物の中にある、
ある団体でアルバイトをすることになりました。何ヶ月か経って、私は彼女に呼び止められました。
「先生、私、先生の顔に泥を塗るかもしれない」と言うのです。
「泥なんかもう塗られてるよ」と冗談を言う私に、彼女は、友だちに話すような口調で話します。
「あそこの団体で気に入られて、卒業したらうちでちゃんと使うから、うちに来いって。
でも、私、断ろうと思うの。」「そりゃ、他人に認められることはいい事だけど、なんで断るんだい?」
と私は、聞きました。すると、彼女からビックリするような答えが返ってきたのです。
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