テレビ寺子屋

俵 萠子さん
俵 萠子さんについて

会場/菊川市文化会館アエル

講師/評論家・俵萠子美術館館長 俵 萠子

第1458回「子どもの世話にならずに生きる方法」

私の母は、ある日突然歩けなくなって、7年間の寝たきり生活の後、2年前に亡くなりました。

寝たきりになった時、誰がどこで介護してあげたら母は一番幸せで、私達子どもとその伴侶も幸せなのか、その事態に直面して初めて考え始めました。
母は明治の生まれでしたから、どうしても自分の家で死にたいとか長男家族の世話になって死にたいという思いがあったようです。しかし、現実に毎日の介護となりますと難しい問題が起きてくるんです。まず、これは私のところだけではないと思うのですが、「お嫁さん」と「お姑さん」がとても仲良しということはあまりないですね。私の母も、「お嫁さん」のことが大好きではなかったようです。長女である私によく愚痴をこぼしていました。しかし、いざ倒れてしまったりすると同じ家に住んでいる「お嫁さん」の世話にならざるをえません。

母を見送った今、「お嫁さん」である彼女の立場を考えると、本当に大変だったと思います。
彼女は花の中年の7年間を失ってしまったと、心から気の毒だったと思うのです。

私の母も、長男夫妻も、そして私も、誰一人幸せではありませんでした。
どうして私達は母を素敵なホームに入れてあげることをもっと真剣に考えなかったのかと思います。それで、私はいろんなホームを回り始めたのです。

☆講師紹介
1930年大阪生まれ。大阪外国語大学仏語学科卒業。新聞記者として活躍後、女性・家庭・教育問題を中心に評論家として活動。1981〜1985年、日本初の準公選で東京都中野区教育委員を務めた。群馬県赤城山に「萠子窯」を設立、陶芸塾を主宰。「俵萠子美術館」館長。

☆番組で紹介した本
「子どもの世話にならずに死ぬ方法」著:俵 萠子 中央公論新社(1,785円)

◆テレビ静岡11月5日放送◆