ぼくが自分で料理をし始めたのは大学に入ってからですが、小さい頃から料理をする母親の姿を見て育ちました。昔は、父親が出張でいない時などは、必ず陰膳をスえて一緒に食事をするという意識を持っていました。それが家族の絆であるという日本の家庭のあり方だったのです。「ご飯ですよ!」と呼ばれるとみんなが炊きたての温かいご飯のところに集まって来ました。昔のお米は、温かくないとおいしくなかったんです。今のように電子レンジや保温ジャーなどがありませんでしたので、炊きたてのご飯を逃すと冷たくおいしくないご飯を食べなくてはなりませんでした。
日本人は、ネバネバと粘着力のあるお米の炊き方が好きです。世界中にお米を食べる文化はたくさんありますが、粘りのあるご飯を好むのは日本人だけです。実は、日本人が粘着力のあるお米を好んだからこそ、家族が一緒にくっついていられる事ができたのです。パンの食文化では、ずっと昔に家庭はバラバラになってしまっていました。
きょうは、世界の食卓と日本の食卓のお話をしたいと思います。 |